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学生がマーケティング協力した化粧品「檜原コスメシリーズ」を発売――法政大学

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法政大学諸上ゼミの学生が商品コンセプトの立案から商品化、広告販売戦略の構築まで協力した化粧品「檜原コスメシリーズ」が、ローザ特殊化粧料から発売されている。

 商品開発後に販売戦略を模索していた株式会社ローザ特殊化粧料(以下、ローザ)からの依頼を受け、広告科学・消費者心理を研究する諸上ゼミが2月から約10カ月をかけ、コンセプト立案やブランド名の命名も含めた販売戦略提案を行い、この度発売が始まった。

【開発経緯】
■経緯
 地産地消の化粧品開発を進めているローザは、ヒノキを使った化粧品の開発を檜原村に提案し、「檜原コスメシリーズ」(サンプル)が完成した。しかし、サンプルは完成したが販売戦略が乏しい状況だった。
 そこで、「第14回ビジネスフェアfrom TAMA」(主催:西武信用金庫、一般社団法人首都圏産業活性化協会)に出展していた法政大学多摩地域交流センターにマーケティング協力を依頼し、同大社会学部の諸上茂光准教授のゼミが引き受けることとなった。
■学生と企業の意見交換
 ローザと諸上ゼミの間で数度の意見交換を行い、本件におけるマーケティング戦略の実施方針を「香りに重点を置くこと」と「檜原村の地域活性化のために行うこと」に決定。女性用化粧品と男性用化粧品に分け、ブランド名、ロゴ、コンセプト、商品ラインナップ、広報戦略などを提案していくこととなった。
■学生の研究活動
 ゼミ生は、文献調査やグループワークを行っただけでなく、ローザと定期的な会合を重ねながら提案書作成を行った。作成に当たっては、香りの調合テスト、檜原村での林業の現場視察、檜原村役場でのヒアリング、ローザでの製品開発体験を通し、製品そのものの成分に関しても検討を重ねた。
 また、UVカットジェルのサンプルを用いて、檜原村の「払沢の滝ふるさと夏まつり」でのアンケート調査の実施や、ローザの社長による美容のレクチャー、デザイナーと共同でロゴ・パッケージのデザイン、檜原村で林業を手掛ける東京チェンソーズと共同で作業時における使用実験なども行った。
■戦略提案書の完成
 その結果、UVカットについてユニセックス商品というかたちで提案することとなった。また、9月に「女性用化粧品商品開発戦略提案書」がゼミ生からローザ特殊化粧料の角屋由華専務に手渡され、これを基に実際に製品化された。
 ユニセックス商品と男性用化粧品については、年内に商品開発戦略提案書を完成させ、年明けに発表予定。

【学生へのインタビュー】
●コンセプト立案を担当した 太田寛人さん(社会学部メディア社会学科3年)
「ゼミの研究は広告科学ですが、今回はターゲットの趣向と商品との乖離を少なくしようと商品改良にも取り組みました。ターゲットを主眼に置きつつ、ローザが大切にするヒノキ成分をどのように引き出し最大限生かしていくのか。ゼミで学んでいる調査手法が役に立ちました。販売後の分析も行い、次のシリーズ2商品の開発に生かしたいと思っています」

【今後の製品発売予定】
■ユニセックス: 2015年1月に発表、同2月の発売開始を目指している。
■男性用化粧品: 2015年春ごろの発売開始を目指している。

【商 品】
■商品名 「aile」(女性用化粧品)
■コンセプト 「あなたを包む優しい贅沢」
■ローション
 ―ヒノキ(収斂作用、むくみ改善)+シャクナゲ(血行促進、リラックス効果、女性の肌との相性良し)の香り。金箔使用。リボフラビンとヒアルロン酸配合。
■保湿ジェル
 ―ヒノキ+ラベンダー(安眠効果、皮膚細胞の活性化、入眠導入効果)の香り、コラーゲン配合。
■オールインワン(美容液+乳液)
 ―ヒノキ+カモミール(肌荒れ効果)の香り、顔用。

■商品名 「LUMBER JACK」(ユニセックス)
■コンセプト 「香りの空間であなたを守ります。」
*最終提案書準備中
 東京チェンソーズからの依頼で村内外の取組みと産学官の取組みの周知のために「払沢の滝ふるさと夏まつり」(檜原村)でUVカットジェルをサンプル配布(アンケート回答者、薪フェス参加者対象)。
■UVカットジェル
 ―ヒノキ+ユーカリ(集中力高める効果、蚊等の忌避効果)の香り。

※男性用化粧品は現在企画立案中

【その他】
■株式会社ローザ特殊化粧料
 安心な製品を小ロットから製造が可能な各種化粧品と医薬部外品製造メーカーで、「地産地消」をモットーに規格外の果物や草木等を再利用したエコ化粧品づくりを行っている。
 東京都昭島市昭和町3-10-14 
 TEL:  042-546-0600
 URL: http://www.rosa-sp-cosme.co.jp/

■社会学部 諸上茂光准教授ゼミナール
 「その広告がなぜ効くのか」をマーケティング的な視点だけでなく、消費者個人の認知・記憶・態度変容・学習といった認知科学・消費者心理学からの視点で調査分析するゼミ。今回は3年生12名、2年生14名が開発に携わった。
 URL: https://twitter.com/morozemi_hosei

■法政大学多摩地域交流センター
 2013 年4 月開設。近隣地域の取り組みやその課題解決に参加することを通じて、学生の成長やキャリア形成をはかるとともに大学の社会貢献につとめ、また、近隣地域と同大の各種活動や事業を双方向に告知し、人の交わりを促進することで、地域と大学双方の発展につとめている。
 URL: http://hucc.hosei.ac.jp/

▼本件に関する問い合わせ先
 法政大学多摩地域交流センター  担当:有田
 TEL: 042-783-3014
 FAX: 042-783-2167
 E-mail: chiiki-kouryu@ml.hosei.ac.jp

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