関西福祉大学

関西福祉大学がユニバーサル社会づくりの一環として「哲学カフェ@赤穂」を市内の空き店舗に開設――「ミニ・いのちのメッセージ展」も定期開催

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関西福祉大学は2014年6月、兵庫県赤穂市にある花岳寺通商店街に「哲学カフェ@赤穂」を開設した。これは、赤穂市から「商店街にある空き店舗を利用して“ユニバーサル社会づくり”の一環となる活動をしてほしい」という依頼を受け開設したもの。生者(生きている人)と生者の対話である「哲学カフェ」と、生者と死者(亡くなった人)の対話である「ミニ・いのちのメッセージ展」を行い、死者の声も含めた「対話を基盤にした街づくり」を目指す。大学院で臨床哲学を学んだ中村剛准教授と学生が一緒に企画運営をしており、社会福祉学部1回生の対話力育成も目的としている。

 「哲学カフェ@赤穂」では、「幸せって何」「なぜ勉強しなければならないの」といったテーマ(問い)について、飲み物やお菓子を食べながら、リラックスした雰囲気の中で対話(他者の話をしっかりと聴き、話し合い、共に考えること)を行っている。答えを出すことにより、他者の話を聴き、自分の経験を踏まえて発言し、共に考えるという経験をすることを目的に、大学生・大学院生、市民の方、ある団体の人たち(高齢者大学の人、小学生、社会福祉協議会の職員、介護者の会の方)10~15人くらいの規模で開催している。

 このカフェの対話実践でのユニークな点は、死者との対話「ミニ・いのちのメッセージ展」を行っていること。これは、飲酒運転、いじめや虐待、リンチや一気飲みなど、理不尽な形でいのちを絶たれた、あるいは自らそうせざるを得なかった人たちの「無言の訴え」や遺族のメッセージを聴くことで、犠牲になった人の立場から、この社会を学び直すこと、そして、いのちの大切さを再確認することを目的としている。彼らの生前の身長を白いパネルにし、それに本人の写真、メッセージ、そして生きた証としての靴をおいたオブジェ(メッセンジャー)を展示している。そうした人たちの「声なき声」に真摯に向き合い、その声を社会の中に活かすことこそ、真のユニバーサル社会づくりであると考えている。

 展示会終了後、来場者による「話し合いの場」を設けている。メッセンジャーに会い、心の中で対話したこと、メッセージ展に来た感想などを話し合うことで、死、いのちの大切さ、あるいは、なぜこの人が犠牲にならなかったのかなど、普段話せないことについての理解を深めていく。

 なお、この展示会および話し合いを定期開催しているのは、「哲学カフェ@赤穂」だけである。

※ユニバーサル社会
 年齢、性別、障がい、文化などの違いに関わりなく、だれもが地域社会の一員として支え合うなかで、安心して暮らし、一人ひとりが持っている力を発揮して元気に活動できる社会。

※哲学カフェ
 ある哲学的なテーマについてその場にいる人たちで話し合い、聴き、共に考えるもの。

◆哲学カフェ@赤穂 
【日 時】
 第3土曜日 14:00~16:00
【場 所】
 花岳寺通商店街 赤穂市加里屋まちづくり会館斜め前
 http://tetsugaku-cafe-ako.jimdo.com/会場-アクセス/
【テーマ】
 地域で暮らしている人に問い(疑問)を出してもらい、その中から 話したいテーマを当日の参加者で決める。
【参加費】
 無料
【定 員】
 15名
【申し込み】
 不要
【これまでのテーマ】
 「人生のピークはいつか」「なぜ勉強するのか」「大人と子どもの違いは何か」「普通とは何か」「親の介護は誰が/どこですべきか」「お金の魅力と魔力―お金が私たちにもたらすもの」他

◆ミニ・いのちのメッセージ展
【日 時】
 第1金曜日~日曜日(3回/年間)
【場 所】
 哲学カフェ@赤穂
 花岳寺通商店街 赤穂市加里屋まちづくり会館斜め前
【参加費】
 無料
【申し込み】
 不要

●哲学カフェ@赤穂 公式ホームページ
 http://tetsugaku-cafe-ako.jimdo.com/

▼本件に関する問い合わせ先
 関西福祉大学 入試広報課
 TEL: 0791-46-2532
 E-mail: kusw-info@kusw.ac.jp

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