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１．企画までの経緯
　全国一斉の休校要請を受け、桐蔭学園中等教育学校（横浜市青葉区）では3月2日から休校となり、生徒は自宅学習となった。その後、緊急事態宣言の発出・延長により、5月いっぱいまで１学期の時間割に基づいたオンライン授業を進め、今に至っている。
　長期間に亘って登校できない状況が続き、生徒たちの中にともすれば「閉塞感」のようなものが漂う中で、中等教育学校４年の生徒会を中心とした有志生徒20名から「学年全生徒（145名）が楽しむことができるようなオンラインレクリエーションを企画し、自分たちで運営したい」との申し出があった。

２．すべてオンラインで行った事前準備
　オンライン授業後の放課後を中心にテレビ会議システムを用いて複数回のミーティングを重ね、アメリカ発祥の言葉遊び系レクリエーションゲーム''Scattergories（スキャテゴリー）''を、ロイロノート（ICTを活用した授業を支援するアプリ）を用いて実施することに決まった。
　''Scattergories''は、進行役から出題されるお題に対して短時間（今回は2分）で回答しなければならず、かつ、他のクラスメイトの回答とできるだけ重ならないようなものを答えるというもの。最も回答が重ならなかった人がポイントを獲得できる。
お題の選定や当日の進行の準備など、一連のやり取りは全てオンラインで実施。直接顔を合わせることは一度もなかった。

【事前準備に関する補足資料】
（1）＜PDF＞生徒が作成した台本

　https://drive.google.com/open?id=1M4J_DPUz8gm2XmR8RO-BUMfiLeI5hYkN
（2）＜PDF＞生徒が作成したルールブック（学年全体に配信）
　https://drive.google.com/open?id=14OYGr3eHlrVPBcVkm2IazYzYlfZzzBrd

３．当日の様子
　オンラインレクリエーションは5月16日の4時限目に実施され、実際にゲームで出題されたお題は「aから始まる3文字の英単語」「は（ば・ぱも可）から始まる今まで行われたことがあるオリンピック競技」「日本にある世界遺産を一つ」など５題。
　進行役の生徒からロイロノートを通じて次々に送られてくるメッセージは実況中継形式で分かりやすく、自宅から参加した学年の生徒たちはオンラインで大変盛り上がった。
　オンラインレクリエーションという試みは生徒にとっても教員にとっても初めての試みだったが、参加した生徒からは「ストレスが溜まっているこの時期にほっこりする時間を過ごせた」「普段とは異なる形でのレクリエーションでしたが、オンラインという環境を生かしていて面白かった」など、大変好評だった。

４．企画した生徒と教員のコメント
・企画立案の中心となった雲田開晴君（中等教育学校４年）
　「初のオンラインのレクで、不安な部分も多く、調整が大変でしたが、学年の多くの人は楽しかったと書いてくれたのがとても嬉しく、うまくいった時の達成感は凄かったです」
・運営生徒を見守ってきた平田光太郎教諭（中等教育学校４年担当・生徒会顧問）
　「今回の活動の目的は、少しでも学年やHR（ホームルーム）生徒と『つながる』ことでした。桐蔭には行事に大変熱心で一生懸命やってくれる生徒がたくさんいます。今回もそうした生徒たちが期待以上の盛り上がりを学年やHRに提供してくれました。初めての経験だからこそ不安も大きく、オンラインならでは問題が起きることを想定しながら何度もテレビ会議を重ねましたが、まさにその会議こそが『学校』ならでは熱気でした。次の企画も大いに頑張って欲しいと思います」

５．参加した生徒の感想、振り返り（抜粋）
　・久しぶりにクラスで何かをすることができたというのもありますが、内容もそれぞれ個性がでて面白く、とても楽しめました。
　・普段とは異なる形でのレクリエーションでしたが、オンラインという環境を生かしていて面白かったです。
　・オンライン授業で忙しい中この企画を計画してくれた生徒会はすごいと思った。
　・オンラインでのレクはどうやってやるのか疑問に思っていました。ロイロを使ってやったのは驚きでした。
　・すごく盛り上がった。ちょっと自分の知識が無さすぎて悔しかったからまた機会があったらもう一回やりたい。生徒会のみなさんありがとうございました。
　・こんなにフラットな感じのビデオ通話をしたことがなかったので、とても良い経験でした。
　・ストレスが溜まっているこの時期にほっこりする時間を過ごせました。
　・オンラインだからこその企画で面白かった。みんなが笑っているのを久しぶりに見た気がする。