名城大学が高分解能融解曲線分析法による新型コロナウイルスオミクロン株とデルタ株の同時識別法を開発
11月下旬に南アフリカで初めて報告されたオミクロン株(B.1.1.529系統)は、スパイクタンパク質の受容体結合ドメインに15個の変異をもち、感染・伝播性、抗原性の変化が懸念されることから、WHOはこの株を懸念される変異株(Variant of Concern; VOC)に分類しています。我が国においても、2021年12月8日現在で4名の感染が確認されており、感染拡大の防止に向けて、検査体制の確立が喫緊の課題となっています。
このような背景から、厚生労働省は、我が国の新型コロナウイルスがほぼデルタ株に置き換わっていることを踏まえ、「デルタ株でないものはオミクロン株の可能性がある」として、デルタ株のPCR検査(L452R)を実施し、陰性の場合には厚生労働省に報告するよう都道府県に事務連絡を発出しました。
一方、東京都は、N501YおよびE484Aの2つの変異に基づくオミクロン株識別法を独自に開発し、さらに、デルタ株の主な変異であるL452Rと合わせて3種類の変異を検査することによって、変異株の発生状況を把握することとしています。(2021年12月3日 東京都報道発表資料「オミクロン株PCR検査開始(2705報)」
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/12/03/23.html)
オミクロン株、デルタ株に特徴的な変異を含む領域をPCRで増幅して融解曲線を測定することにより、添付画像(2)のように3つの株を容易に識別することができます。第6波の到来が懸念される中、オミクロン株によるクラスターの迅速な特定など、感染症対策への活用が期待されます。
【参考文献】
1. Aoki A, Mori Y, Okamoto Y, Jinno H. (2021) Development of a genotyping platform for SARS-CoV-2 variants using high-resolution melting analysis. J Infect Chemother. 27: 1336-1341.
2. Aoki A, Adachi H, Mori Y, Ito M, Sato K, Okuda K, Sakakibara T, Okamoto Y, Jinno H. (2021) A rapid screening assay for L452R and T478K spike mutations in SARS-CoV-2 Delta variant using high-resolution melting analysis. J Toxicol Sci. 46: 471-476.
●HRM分析法の確立に関する本学サイトの記事はこちら
名城大学薬学部薬学科
神野 透人(ジンノ ヒデト)教授: jinno@meijo-u.ac.jp
本件に関するお問い合わせ先
- 住所
- 愛知県名古屋市天白区塩釜口1-501
- TEL
- 052-838-2006
- FAX
- 052-833-9494
- kouhou@ccmails.meijo-u.ac.jp