神奈川大学理学部の上村大輔教授らによる研究チームが、石垣島の藍藻類由来の抗肥満薬リード「ヨシノンA」を発見
平成24年度の厚生労働省による国民健康・栄養調査によると、肥満人口の割合は男性で29.1%、女性で19.4%と集計されており、肥満は、糖尿病、心臓病、脳血管疾患といった生活習慣病のリスク因子でもあり、その解決に向けては世界的にも大きな興味が持たれている。
このような状況を鑑み、上村教授らの研究チームは、抗肥満薬のリードを見出す目的で、マウス細胞株である3T3-L1細胞の脂肪細胞分化を阻害するような天然有機化合物の探索を試みた。
今回の研究では、沖縄県石垣島吉原海岸で採集した藍藻Leptolyngbya sp.600 gを材料として、3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化阻害活性を指標に各種カラムよる精製を進め、「ヨシノンA」、「 ヨシノンB1」、 「ヨシノンB2」と名付けた3種類の化合物をそれぞれ、1.0mg、0.1mg、0.1mg単離する事に成功した。さらに、これらヨシノン類について各種の分光学的解析から構造を決定したところ、γ-ピロン環を有するお互いに良く似た化学構造をしていることが明らかとなった。
また、続いてこれらの活性を評価した。ヨシノン類存在下で3T3-L1細胞を分化させ、その分化の程度は、細胞内のトリグリセリド(脂肪)レベルを定量することで評価した。
その結果、「ヨシノンA」はEC50=420nMという比較的強い活性を示す一方で、50μMの濃度でも顕著な毒性を示さなかった。この結果は、「ヨシノンA」が抗肥満薬候補として有用である事を示唆している。
以上の結果は、2014年10月15日~17日に開催された第56回天然有機化合物討論会で発表された。また、学術雑誌「Tetrahedoron Letters」にも掲載されている。
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