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青森大学が2月7日に東京キャンパスにおいて第2回「高規格避難所」開所・運営訓練を実施 ― 水害時に9割が水没する江戸川区で、災害関連死の抑制を目指す

青森大学(学長:澁谷泰秀)は2月7日(土)、東京キャンパス(東京都江戸川区)において、「災害関連死を抑える、人にやさしい高規格避難所」と題した開所・運営訓練を実施する。従来の避難所開所訓練とは異なり、江戸川区の地域包括支援センターが把握する高齢者、身体障害者(避難行動要支援者)の一時避難所としての役割を確認することを目的の一つとしている。訓練は、①殺到する避難者を受付でスムーズにさばく大学独自開発の「避難所受付システム」の稼働、②ゾーニングと段ボールベッド、間仕切りテントの組み立てによるプライバシー確保、③シャワーなどの生活用水を確保する浄化システムの実演、④ボランティア団体・台湾仏教慈済慈善事業基金の日本法人との合同炊き出し、などを実施。参加者自らが手と体を使い実体験する取り組みとなる。

  東京都江戸川区は水害ハザードマップにおいて、荒川の氾濫時に区内の9割が水没し、浸水深は2~4m、水没期間2週間とされている。狭い地域に約70万人の住民が住まうことから、「生存率」という観点で見た場合、日本のみならず、世界でも有数の水災リスクが高いエリアだと言える。
 一方で、同区のなかでも青森大学東京キャンパスが所在する清新町は、スーパー堤防の延長として整備されたため、区内で唯一地盤の高い地域である。そのため、水害時には周辺の低地から多くの避難者の流入が予想される。その数は2.5万人と推計され、同地区7指定避難所の所要人数2,000人を大きく上回ることから、一般の避難所とは異なる特別な運営・訓練が求められる。

 避難所における「災害関連死」の抑制の要請には、どのような運営環境であっても応じる必要がある。昨年の高規格避難所開所訓練第1回では、「災害関連死を抑え、女性にやさしい高規格避難所」の開所を目的に訓練を行った。
 第2回目となる今回は、「災害関連死抑制型」実践的避難所開所・運営訓練として、避難行動要支援者を念頭に、大きく2つの目的を設定した。

(1)避難者のストレスを抑えるプライバシーの確保やスフィア基準に近づける快適装備を持つ避難所(高規格避難所と呼んでいる)とする。
(2)災害関連死の約7割は高齢者であることから、江戸川区の地域包括支援センターと連携し、高齢者、身体障害者の一次避難所としての機能を確保する。

 具体的には以下の内容を目指す。
①ハード面では下記の項目を整備。「床に雑魚寝する被災者」「断水で使えないトイレ」といった、従来の「汚い避難所」のイメージを刷新した、高規格避難所を実現する。
(ⅰ)大混乱が予想される避難所受付を、自前で開発した「避難所受付システム」による自動受付とする。QRコード読み取り簡単入力(スマホあり)と免許証や身体障害者手帳の自動読み取り(スマホなし)の受付と、避難所の行先(ゾーンと場所)指示。
(ⅱ)上記受付システムの個別識別コードを活用した「物資適正配布システム」により、配布業務の軽減と避難者間の公平性を担保。
(ⅲ)プライバシーに配慮したテント型間仕切りと段ボールベットの装備と実際の組み立て。
(ⅳ)飲料水とは別にシャワーや洗濯などの生活用水確保のための浄水システムの実演。
(ⅴ)衛星通信(スターリンク)やマンホールトイレの設置。

②ソフト面では下記を目的とする。
(ⅰ)地域包括支援センターとの合同訓練とし、同センターの職員や入所者、デイサービス利用者などの訓練参加により、健常者だけの訓練ではなく、避難行動要支援者や避難所弱者を守れる避難所にする訓練に意識変革。ディスカッションの中で解を見出す。
(ⅱ)2024年の台湾で起きた花蓮市地震において、高規格の避難所をごく短時間で開設したボランティア団体「台湾仏教慈済慈善事業基金」の日本法人と、合同で炊き出し訓練を実施。

 当日は、指定避難所を運営する7つの学校(小・中・高・大)とPTA、12の自治会と民間企業などが参加する。
 なお、この訓練は、青森大学東京キャンパスが地域貢献活動として進めている、自治会を支援する3つプログラム(①実働防災士の育成と自治会への派遣、②高規格避難所装備の購入を支援するコミュニティ水災保険の提供、③高規格避難所と自治会DXの実現)の3番目に相当する。

高規格避難所開所訓練 第2回
「災害関連死を抑える、人にやさしい高規格避難所」開所・運営訓練

【日 時】 2月7日(土) 10:15~16:10
【会 場】 青森大学東京キャンパス 206号教室及び体育館( https://aomori-u-tokyo.jp/access/ )
・東京都江戸川区清新町2-10-1 (地下鉄東西線「西葛西」駅またはJR京葉線「葛西臨海公園」駅から徒歩15~20分)
【対 象】 避難所運営に携わる人(自治会役員、学校施設管理者、PTA、災害ボランティア、研究者など)
【参 加】 無料
【申 込】 添付の「参加申し込みファイル」に必要事項を記入の上、下記メールアドレスに1月30日(金)までに申し込み
e-mail: h.kubo@aomori-u.ac.jp (久保英也 宛)
【運営責任者】 青森大学総合経営学部 久保 英也 教授(東京キャンパス)
<プロフィール>
 博士(商学:神戸大学)。神戸大学大学院経営学研究科准教授、滋賀大学大学院経済学研究科教授・リスク研究センター長、立教大学21世紀社会デザイン研究科特認教授を経て、現職。日本リスク学会の学会長を務めるなどリスク管理の専門家。とりわけ、ファイナンスとリスク結合研究に注力し、モットーは、「研究の社会実装」。防災士、社会保険労務士。

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・青森大学が3月16日に東京キャンパスで日本初となる「高規格避難所」開所訓練を実施 ― 水害リスクの高い江戸川区で「災害関連死を抑え、女性にやさしい避難所」を目指す(2025.02.26)
 https://www.u-presscenter.jp/article/post-55691.html

▼高規格避難訓練・本件に関する問い合せ先
 青森大学東京キャンパス 久保英也研究室
 教授 久保英也
 住所:東京都江戸川区清新町 2-10-1
 TEL: 03-6261-6399
 FAX: 03-6261-6398
 E-mail: h.kubo@aomori-u.ac.jp

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