【共栄大学×春日部市】高校生が大学の実践的な学びを1日体験 ― AIを「使う側」から「設計する側」へ
■4分野を横断して学ぶ ― 「つくる・設計する・見抜く・組み込む」4つの体験
今回のプログラムでは、テクノロジーを単に「使う側」から一歩進み、自ら考え、試し、改善することを重視。AIやデジタル技術の操作方法を学ぶだけでなく、自分の考えをAIにどう伝えるか、AIの振る舞いをどう設計するか、示されたデータをどう読み解くか、AIが出力したデータをどのようにシステムへ組み込むかといったことを、実際に手を動かしながら体験した。
●デジタルものづくり ― AIで考えたアイデアを“カタチ”に
河合麗奈助教(国際経営学部)が担当し、高校生らはGoogle Geminiを使ってオリジナルキャラクターを制作した。最初は短いプロンプトで画像を生成し、必ずしも自分のイメージ通りにならないことを確認。その後、形、色、雰囲気、性格などの条件をワークシートで具体化し、それらをプロンプトに反映することで、自分が思い描くキャラクターへと近づけていった。
完成したキャラクターは、伊藤ゼミの学生がレーザー加工機を使って木製キーホルダーに加工し、修了式で参加者に記念品として手渡した。デジタル上で生まれたアイデアを実物の成果物へつなげ、1日の体験を持ち帰ることのできる仕掛けとした。

●生成AI活用 ― 自分専用AIを「設計」して、比べて、改良する
伊藤大河准教授(国際経営学部/情報教育センター長)が担当し、Geminiの「Gems」を使ったプロンプトエンジニアリングを体験した。
まずは、通常のGeminiに共通の質問を入力。その後、「何を手伝ってほしいか」「自分について何を知ってほしいか」「どのようなキャラクターや話し方にするか」「どのように答えてほしいか」などを考え、自分専用のAIを設計した。
完成後は、最初とまったく同じ質問を自分専用AIにも入力して回答を比較し、さらに指示を変更して再テスト。生成AIに質問するだけでなく、出力を確認しながらAIの振る舞いを設計・改善するところまで取り組んだ。

●データサイエンス ― 数字やグラフの「見せ方」を見抜く
身近なグラフや広告を題材に、データの見方・見せ方について河合助教が講義を行った。例えば、棒グラフの原点が0ではない場合に数値の差が実際以上に大きく見えることや、広告などで目にする「No.1」がどのような条件や切り口によって成立しているのかを考察。
数字やグラフをそのまま受け取るのではなく、その背景や表現方法を読み解くとともに、逆に情報を発信する立場であれば、どのような切り口によってデータの見せ方が変わるのかについても考えを深めた。
●プログラミング ― AIをシステムの一部として「組み込む」
伊藤准教授の指導のもと、Webカメラから手の位置を認識するAIとScratch系のプログラミング環境を組み合わせ、自分の手をコントローラーとして操作するゲーム「AI MOTION TARGET」を制作した。
AIが推定した人差し指や手首の位置を座標データとして取得し、その値をプログラムで比較・判断することで、手の向きをゲームの操作や得点ルールに反映。AIによる認識と、人間が設計したプログラムそれぞれの役割を組み合わせ、一つのシステムを動かす仕組みを体験した。
このように、1日の中でAIを使ってアイデアを「つくる」、AIの振る舞いを「設計する」、データの表現を「見抜く」、AIをプログラムへ「組み込む」という、異なる4つの視点からテクノロジーと向き合った。
■少し難しいことにも挑戦できる ― 大学生が高校生の学びをサポート
当日は伊藤ゼミの学生4名も参加し、高校生の制作やPC操作をサポート。参加者それぞれの進度を見ながら、操作につまずいた際にはすぐに質問できる環境を整えた

4つのプログラムの終了後にはアンケートを実施し、参加した高校生14名全員が回答。その中で、イベント全体については10名が「満足」、4名が「やや満足」とし、全員から肯定的な評価を受けた。
自由記述には、「実践の授業が多くて楽しかった」「学生の方が常に見ていてくださったので質問しやすかった」といった声のほか、「AIを正しく使うために気をつけなければいけないこと、具体的な指示が必要であることが分かった」「普段何気なく使っているAIも、コツをつかむと使い方の幅が広がると思った」「AIについてあらゆる視点から学ぶことができてとてもよかった」などの感想が寄せられた。また、内容を難しいと感じながらも「丁寧に一つ一つ教えてもらえたので、とても分かりやすかった」とする回答もあるなど、高校生が少し難しい課題にも挑戦しながら、教員や大学生の支援を受けて取り組む機会となったと考えられる。
参加理由(複数回答可)としては「大学の実践的な学びを体験したい」が8名と最も多く、「AIやデータ活用のスキルを向上させたい」が6名、「共栄大学への進学を考えている」が4名となった。
さらに「今回のような体験イベントがあったら参加したい」「より深い内容を学習したい」と、今後の学びを希望する声も寄せられた。
■参加者には修了証を授与、高校生の「次の学び」につながる機会に
最後に修了式を行い、参加者には岩谷一弘春日部市長と平林信隆共栄大学学長の連名による修了証を授与した。

共栄大学では、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」のリテラシーレベルに認定された「共栄データサイエンスプログラム」を展開するなど、数理・データサイエンス・AIを社会の中で活用するための基礎的な力を育む教育にも取り組んでいる。
今回の「1Dayテクノロジー体験」は特定の学部を対象とせず、共栄大学として、高校生に大学の実践的な学びを体験してもらう機会として実施したもの。AIやデータ、デジタル技術は、ビジネスだけでなく、教育をはじめとするさまざまな分野に関わるテーマだといえる。
担当教員は今回の実践を一つのモデルとして、今後、4つの体験を組み合わせたプログラムのパッケージ化を検討している。高校へ出向いて実施する講座のほか、高校生に共栄大学へ来校してもらう高大連携プログラムなどへの展開も視野に入れており、高校生が新しい技術に触れるだけでなく、「大学ではどのように学ぶのか」を実際に体験し、自身の将来の学びや進路を考えるきっかけとなることが期待される。

本件に関するお問い合わせ先
共栄大学 学長室
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