城西大学薬学部の矢島克彦准教授が「糖と脂質を使い分ける能力」を高めるマフィンを開発 ― 含まれる脂肪酸の種類を工夫した食品により、加齢に伴う代謝機能低下を予防できる可能性
■状況に応じて「糖と脂質を使い分ける能力」が健康の鍵
私たちの体は、活動状況や食事内容に応じて、糖質や脂質をエネルギー源として使い分けている。このような、糖と脂質をエネルギー源として柔軟に使い分ける能力は「代謝柔軟性」と呼ばれ、健康維持に重要な役割を果たす。しかし、この能力は加齢や運動不足、肥満などにより低下することが知られており、糖尿病や生活習慣病のリスクとも関連すると考えられている。
■一般的なマフィンとの違いは、含まれる「脂肪酸の種類」
研究グループは健康な若年男性を対象として、脂質量は同じで脂肪酸の種類だけが異なる3種類のマフィンを摂取してもらった。その結果、オレイン酸やα-リノレン酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含むマフィンを摂取した場合、一般的なマフィンに多く含まれるパルミチン酸中心のマフィンよりも、「食後の糖質利用」から「睡眠時の脂質利用」へエネルギー基質を切り替える速度が加速することが確認された。
つまり、今回開発した不飽和脂肪酸比率を高めたマフィンは、「糖と脂質を使い分ける能力(代謝柔軟性能力)」を高める可能性が示されたこととなる。
■将来的には高齢者の健康維持にも期待
今回の研究は若年男性を対象としたものだが、代謝柔軟性は加齢により低下することが知られている。そのため、不飽和脂肪酸を豊富に含む食品を日常的に摂取することで、加齢に伴う代謝機能の低下を予防・改善できる可能性がある。
今後は高齢者や生活習慣病リスクの高い人を対象とした研究を進めるとともに、今回用いたマフィンだけでなく、パンや菓子類、加工食品などさまざまな食品への応用を目指す。
また、同研究グループでは「寝ている間に脂肪を燃やす」食品の研究・開発も進めており、一連の研究は人々の健康の維持、増進に貢献する研究成果となることが期待される。
【研究代表者コメント】
私たちの体は、状況に応じて糖質と脂質を使い分けています。この「代謝柔軟性」の能力が高いほど健康的な代謝状態を維持できると考えられています。今回の研究では、不飽和脂肪酸比率を高める工夫をした食品がその能力を高める可能性を示すことができました。今後は、より多くの人に日常的に利用していただける食品開発にもつなげていきたいと考えています。
●研究者情報 矢島克彦 准教授
https://researcher.josai.ac.jp/html/100000707_ja.html
(関連記事)
・寝ている間に”脂肪を燃やす”マフィンを開発(2024.04.24)
https://www.u-presscenter.jp/article/18983
本件に関するお問い合わせ先
城西大学広報課
- 住所
- 埼玉県坂戸市けやき台1-1
- TEL
- 049-271-7543
- koho@stf.josai.ac.jp