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文系の学生が改めて楽しむ理科実験 ──法政大学自然科学センターのサイエンスコミュニケーション活動

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法政大学自然科学センターでは、サイエンスコミュニケーション活動の一環として、文系の学生による理科実験を毎月実施している。理科離れが叫ばれる中、改めて楽しむ理科実験から、学生、教員ともに新たな価値を発見している。

 法政大学自然科学センターでは、毎月1回程度、科学好きの文系学生が集まって理科実験を中心にした定例活動を行っている。たとえてみれば、大学生の“理科クラブ”である。昨年から始まった取り組みを今年度から本格化、新たな学生スタッフも加わり、活動は活発化している。

 同センターは、法政大学市ケ谷キャンパスの文系学部で自然科学関連の授業(生物、化学、物理)を受け持っている専任教員の組織。センターで取り組んでいる「サイエンスコミュニケーション」は、今や世界的に大きな流れになっているが、科学者と一般の人との対話を通して、科学技術に大きく依存する未来社会を、健全に拓いていくことを目的としている。
 相互から発する対話が大事なポイントとなるが、大学教育にそれを取り入れるためには、学生からの自発的発信が必要との認識から、同センターの木原章経営学部教授が発案して始まった。最初の会合で、小中学生の時に行った実験の感激を話す学生など、実験に対する希望が多かったため、現在の活動の方向になっている。

 これまで実施したのは、たとえば液体窒素を使った実験。マイスナー効果での超伝導浮遊や、液体酸素中での燃焼実験のほか、ドライアイス作りやアイスクリーム作りなど趣向を凝らした実験は、自然科学に驚きと親しみを感じ、楽しめる内容だ。
 「苦手でも楽しめるが基本方針」と話すのは小池康郎 同センター長(国際文化学部教授)。

 新たにスタッフに加わる学生の動機もさまざま。理科の教職課程をとっている学生がいる一方で、「ずっと科学は苦手と思い続けてきた」が誘われて加わったという法学部の学生も。6月に行われたランチタイムミーティングでは、軽食を食べながら、今年度どのような実験を行っていきたいか話し合いが行われた。
 静電気、水の電気分解、携帯電話を集めて金を取り出す、王水を用いた実験、重曹でカルメ焼きづくり、化合・還元……、実現の可否は別として、学生と教員で理科談義が盛り上がった。

 「理屈で考える我々とは異なり、文系の学生がシンプルなことに楽しみを見い出すことは興味深い」と話すのはある教員。授業展開のヒントにもつながりそうだ。教員、学生双方にとって新たな発見のあるこの試み。6月29日(日)に市ケ谷キャンパスで行われるオープンキャンパスでも、参加型の実験企画を披露する予定だ。

▼本件に関する問い合わせ先
 法政大学自然科学センター
 TEL:03-3264-4142
 http://src.i.hosei.ac.jp/

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