ものつくり大学

ものつくり大学の「インターンシップ」の特色

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ものつくり大学(埼玉県行田市)では、学生が企業等で就業体験をする「インターンシップ」を重視し、強力に推進している。近年では、6割を超える大学がインターンシップを実施するようになった。その中で、ものつくり大学のインターンシップの特色を探ってみた。

【調査の概要】
 文部科学省調査などをもとにものつくり大学が概要をまとめた。
○インターンシップとは、「学生が在学中に、企業等において自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」(同省調査の定義)。

○2006年度の概況:
 全大学の66%に当たる482大学が実施。実施時期は夏季休業中が78%、実施期間は1か月未満が93%、平均参加学生数は1学部・研究科あたり35人である。

○さまざまな態様:
 1週間程度の職場体験から、2か月以上の実習。あいさつ、名刺交換、電話応対、接客などにおける基本的なマナーの研修。新聞切り抜き、情報収集、レポート作成などの業務体験。工場、研究所の見学、会議の参加、機械操作、実験データ測定などから、プロジェクトへの参画、研究の推進などさまざまである。

○目的:
 将来の就職への動機付け、職場、職業への理解、現在の学習への刺激、その意義の確認、将来の研究課題の探索、現実の問題への取り組みなど

○典型的なインターンシップ:
 典型的なものとしては、「夏休み期間中の2週間を、専門に関連する受入れ先において、将来に向けた基本的就業体験を行う」というものが見えてくる。

○ものつくり大学における実施概要:
 工学分野において、毎年400名を超える学生規模で、長期間(40日から80日)、複数回(2ないし3年次と4年次)授業時間内で実施。受入れ企業なども300を超え、製造、建設の先進分野から宮大工のような伝統的分野まで幅広い。

○長期インターンシップ実施大学:
 本学のような長期インターンシップを実施している大学は少ないが、次のような大学がある。
・大学院重点大学として創設された長岡技術科学大学は、対象を4年次の修士課程進学者とし、300名を超える実績をもつ。豊橋技術科学大学も同様のインターンシップを実施している。規模、期間ではほぼ同じであるが、ほとんどの学生が卒業後、企業に就職する本学の場合と異なる。
・参加学生数は多くないが、大学院レベルで長期間実施しているところがある。京都大学の環境マネジメント専攻(修士課程)、名古屋工業大学の産業戦略工学専攻(博士前期課程)がある。
・豊田工業大学は、学部レベルで複数回、長期で全学的に実施している。この点で本学と非常に似通っているが、1学年が定員80名の規模である。受入れ先の分野も本学のような幅広さはない。

【本学インターンシップの特色とその効果】
○ほとんどが就職する学部生を対象にし、参加学生の多さ、長期複数回の実施、受入れ企業の多さ、分野の多様さなどから、本学の独自性が際立つ。

○WEB上で本学のインターンシップ受入れの紹介が登場する。概して、学生が受入れ先ときわめて親密な関係を築き、職場にとけこんでいる。受入れ先で学生と先方側とのやりとりは率直で、好意的である。学生もインターンシップの意義を素直に認めている。卒業生アンケートによれば、最も熱心に取り組んだこととしてインターンシップをあげている。
 これらは、本インターンシップの充実を示すものと考えている。

○学生に与える良い効果
1)大学での学習への刺激、反省、卒業研究テーマの発掘、実施など教育面での良い効果
2)コミュニケーション能力、仕事の段取り、準備、後片付けの重要性など、専門知識のみならず、職場で重要な実務能力の修得
3)挨拶、礼儀作法、無遅刻、無欠勤といった厳しい職場規律の認識

○就職における良い効果
 ものつくり大学の4期生までの就職者総数は934名。その中で、トヨタ、日立、その関連企業に60名を超えるなど、有名企業に実績を残している。
 また、知名度が必ずしも高くないが、地元や中小の有力企業への就職にも実績を残している。これは長期、複数回実施のインターンシップを通じ学生、受入れ企業相互の理解が深まり実績につながったといえる。

【結  び】
○2002年から、多数の学生を長期にわたり派遣してきた実績、受入れ先との間に醸成された信頼関係を踏まえ、本学のインターンシップはますます充実、発展が期待できる。

▼本件に関する問い合わせ先
 ものつくり大学 学務部
 埼玉県行田市前谷333番地
 TEL: 048-564-3200
 FAX: 048-564-3201
 E-Mail: k_fujisawa◎iot.ac.jp
 (「◎」は「@」を示します)
 http://www.iot.ac.jp/