ものつくり大学

初年次教育の実践、ユニークな授業「フレッシュマンゼミ」――ものつくり大学

大学ニュース  /  教育カリキュラム  /  学生の活動

  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

ものつくり大学では、少人数のグループごとにアイデアを出し合い、「もの」づくりを競い合うユニークな授業「フレッシュマンゼミ」を展開し、初年次教育の充実を図っている。今年からは「からくりマシン」を制作テーマに、企画、デザインから組み立て、メンテナンス、マネジメントまで学生たち自身で取り組み、“ものづくりプロセス”の実際を体験した。

 ものつくり大学(埼玉県行田市)では従来の理工系大学とはまったく発想を変え、「ものづくり」を通じてユニークな授業を展開し、初年次教育の充実を図っている。製造技能工芸学科1年生の必修授業科目「フレッシュマンゼミ」では、少人数のグループでものづくりに取り組むことにより、グループ内での協力、コミュニケーションやリーダーシップなどの重要性を認識するとともに、“ものづくりプロセス”の実際を体験。学生はここで友達をつくり、今後の学習のよき動機づけとしている。

 具体的には、フレッシュマンゼミでは15~20名を1グループとし、16週間にわたる授業の中で、各グループ一丸となってアイデアを出し合い、コンセプトを決め、設計、制作を行い、ひとつの「もの」を作り上げ、その成果を競い合っている。

 同大では平成13年の開学以来、これまで7年間にわたり、カヌーの制作を行ってきた。制作したカヌーは実際に川で競漕大会を行い、スピードを競い合う。大会に出場し、ゴールまでたどり着けなければ単位は修得できないため、学生は真剣だ。

 今年からは、制作テーマを「からくりマシン」とした。人間が普段単純に行っている動作を、機械を構成する機構(からくり)を多数利用することで実現し、手の込んだからくりの面白さや芸術性などを表現するマシンだ。完成後は「MONOからくりマシンコンテスト」を開催、成果を競い合う。

 学生たちはまず、自動車生産ラインの仕組みや、江戸時代の日本のからくり装置などの講義を聴講。実際に鉄道博物館へ行って蒸気機関やエンジンのメカニズムを勉強し、からくりに利用できる素材集めを行う。次に、各グループで意見を出し合い、コンセプトを決める。さらにアイデアを出し合い、からくり装置となる機構を考え、マシンの設計に取り組む。そして、限られた予算内で材料調達を行い、制作。完成後、コンテストで成果を競い合う。

 学生たちは、グループでひとつの「もの」を作り上げることで、達成感を得、友情をも育んでいる。そして、コミュニケーション、アイデア、企画、デザイン、組み立て、メンテナンス、マネジメント、リーダーシップなど、ものづくりに必要な多くの要素の重要性を体験し、その能力を身につける出発点としている。

 授業を終えた学生たちの感想は、
「ひとつのものを作り上げるには、多くの人がかかわっている。そこでは緻密な準備、完成までのプロセスといった段取りが非常に重要である」
「グループのメンバーが相互に協力し団結することで友情が芽生えた。完成した達成感は自信となった」
「無駄が多く廃棄物(ゴミ)を多く出してしまった。次は、無駄を減らし廃棄物(ゴミ)の再利用を考えたい」
など。ものづくりに取り組む中で、実際のものづくりで重要な要素を実感していることが分かる。

 ものつくり大学では、このように小グループでのものづくりを通して、実際のものづくりに必要な能力の育成に努めている。

▼本件に関する問い合わせ先
 ものつくり大学 学務部
 埼玉県行田市前谷333番地
 TEL: 048-564-3200
 FAX: 048-564-3201
 E-Mail: kubota◎iot.ac.jp
 (「◎」は「@」を示します)
 http://www.iot.ac.jp/

214

215

216