明治大学

ジブリアニメからプレステ、アキバ、浮世絵まで“日本文化力”を研究。「ソフトパワー論」開講──明治大学

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明治大学では今年度、後期・学部間共通総合講座において「ソフトパワー論」を開講する。同講座は日本を代表する著名人を講師に迎え、日本の持つ「ソフトパワー」の力と今後の重要性について、リレー形式で講義を行うというもの。すでに文理や学部の枠を越えた200名を越える学生が履修登録を行っており、学部生の期待の高さをうかがわせている。

◎明治大学学部間総合講座 新規講座「ソフトパワー論」の概要

【科目名】 ソフトパワー論(学部間共通総合講座※)
【日 時】 2008年9月~2009年1月(全14回)
【場 所】 駿河台キャンパス(東京都千代田区神田駿河台1-1)
【単 位】 2単位
【学内コーディネーター】 斎藤孝道・理工学部准教授

【講  師】
伊藤 裕太氏(日本ポラロイド社 代表取締役社長)*コーディネーター
津堅 信之氏(京都精華大学 マンガ学部アニメーション学科 特任講師)
久夛良木 健氏(ソニーコンピュータエンタテイメント名誉会長)
遠山 友寛氏(TMI総合法律事務所)
星野 康二氏(スタジオジブリ代表取締役社長)
武藤 浩氏(国土交通省大臣官房審議官)
坂井 直樹氏(ウォーターデザインスコープ社長/慶應義塾大学大学院教授)
牧野 健太郎氏(NHKプロモーション文化事業部長)
井上 伸一郎氏(角川書店代表取締役社長)
高木 利弘氏(株式会社クリエーション社長)


【開講にあたって】
      伊藤 裕太氏(日本ポラロイド社 代表取締役社長)
 最近の大学生と接していて気がかりなのは、日本以外の外の空気に触れていないことです。インターネットの発展・進化で、ある程度地球上の国々の情報が得られてしまうから、海外に行った気になってしまう。外国から日本がどう見られているか、どのように評価されているかを五感で実感していないので、自分の住んでいる国日本を相対的に見つめることをしないまま大学生活を終えてしまうのです。
 「ソフトパワー」とは、コンテンツ産業と言い換えたほうがわかりやすいかもしれませんが、この「ソフトパワー論」ではそれを超えた日本の文化力も研究の対象とします。当講義は3つの視点からすすめていきます。第一の視点は日本の産業創造という観点で、日本のソフトパワーの秘める可能性について。第二の視点は、資源に乏しく、国際競争力が低迷している現在の日本が、ソフトパワーにより国富を増大させることができること。そして三つ目の視点は、ソフトパワーによって、地球上の人々が心の交流を図り、価値観が共有できること。これらの視点から論じていきます。

【概  要】
 「ソフトパワー論」では、今後の日本の強みとなるであろうコンテンツ分野を展望する。
 ソフトパワーとは、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が提起したもので、ハードパワーと対峙した概念である。現在の日本を取り巻く環境は厳しく、中国やインドのBRICsと呼ばれる新興国や、それに続くNext11、VISTAと呼ばれる国々が経済的発展を続けている。日本が今後もテクノロジー競争に打ち勝っていく上で、デジタル化の両輪とも言うべきコンテンツがますます重要になっているのである。
 9.11事件以降、イラク戦争、SARSなどを発端として、世界は混沌とした状況に陥っているが、そうした環境下で、学生一人ひとりが世界に対する自らの視点を確立し、社会に出てからの行動規範を築くことを目指している。本講座を通して、日本が豊かに、かつ安全に暮らして行ける将来像を一緒に考えて行きましょう。

【授業内容】
(日程/タイトル/講師)
[ 9月24日] 日本のブランドとソフトパワー(伊藤 裕太)
[10月 1日] ジャパンクールと「模倣される日本」を読み解く(伊藤 裕太)
[10月 8日] 海外におけるジャパニメーション考察(星野 康二)
[10月15日] 日本のアニメーションの歴史(津堅 信之)
[10月22日] マンガ-日本サブカルチャーのオリジナリティとは?(井上 伸一郎)
[10月29日] プレイステーション開発(久夛良木 健)
[11月 5日] アジアの若者は日本を目指す(高木 利弘)
[11月12日] 萌える街-アキハバラ(伊藤 裕太)
[11月19日] ソフトパワー領域の拡大(伊藤 裕太)
[11月26日] 日本の工業デザイン(坂井 直樹)
[12月 3日] 和の美 浮世絵-ジャポニズム(牧野 健太郎)
[12月10日] 観光立国日本「Yokoso Japan」(武藤 浩)
[12月17日] 日本の知財戦略(遠山 友寛)
[ 1月14日] これからの日本が生きる道は?(伊藤 裕太)

※「学部間共通総合講座」は、学部生を対象とした講座の一つ(一般の方は受講不可)。同講座は、より実践的な学習を志す学生のための講座で、学部にとらわれずに履修することができる。学生の知的好奇心を刺激し、自分が学んでいることの意義と目標を再確認させ、学習意欲を喚起することを目標としている。

▼本件に関する問い合わせ先
 明治大学広報課
 東京都千代田区神田駿河台1-1
 TEL: 03-3296-4082
 http://www.meiji.ac.jp/