東京工科大学

東京工科大学応用生物学部が、株式会社ファンケルによる寄付講座「健康食品開発概論」を平成20年度後期より開講

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東京工科大学では、平成20年度後期科目より応用生物学部において、株式会社ファンケルによる寄付講座「健康食品開発概論」を開講する。

 東京工科大学(東京都八王子市 学長:軽部征夫)では、平成20年度後期科目より、応用生物学部(学部長:山本順寛)において、株式会社ファンケル(神奈川県横浜市 代表取締役社長執行役員:成松義文)による寄付講座「健康食品開発概論」を開講する。
 昨今、健康促進、増強についての興味、関心が高まっているが、今回の寄付講座では、実際に開発をしている研究者の方々を招請し、健康食品開発に関する法制度、国際競争力、将来展望などを交えて、さまざまな角度から健康食品開発の現場を講義していただく。


◎株式会社ファンケル寄付講座(健康食品開発概論)開講のお知らせ
 10月1日(水)より株式会社ファンケルの寄付講座が本学で開講されます。健康増強やメタボ・抗加齢対策の健康食品の開発が盛んですが、失敗例の紹介も含めて実践的な健康食品開発論を株式会社ファンケルの学術ユニット長岡村博貴医学博士、健康食品カンパニー副カンパニー長重松典宏工学博士らに講義していただきます。小生が話題の健康食品コエンザイムQ10の推進役を務めているなど、役に立つ先端食品コースを目指していることが同社に評価されたのだと思います。また同社の健康食品開発の実情を学生諸君に知って欲しいとの要望から実現する運びとなりました。多数の受講を期待しています。
(応用生物学部長 山本順寛)


○科目名: 「健康食品開発概論」

○開講時期: 平成20年度後期(第1回10月1日 全13回)

○講義概要:
 健康食品が注目を集めている原因として、疾病予防の重要性、若年層における生活習慣病罹患率の上昇、平均寿命と健康寿命の差異拡大、医療費増大の予防などが挙げられる。本講義では健康食品メーカーが、どのように商品を開発し、機能性・安全性を担保したうえで市場投入しているのか、実際の開発事例を、科学的エビデンスを踏まえ、紹介・平易に解説し、健康食品のあるべき姿を考察できるようにする。株式会社ファンケルの学術ユニット長、健康食品カンパニー副カンパニー長らが本講義を担当する。

【第1回】 健康食品の創生 ―健康食品開発の現場から―
 健康食品の開発について、ファンケル社の事例を紹介する。併せて市場環境、開発現場の情報を提供する。これらにより、企業で行われている健康食品の開発業務を理解し、実感できるように働きかける。また、13回の講義全体の概要を説明し、受講に対する期待感と必要な事前情報を提供する。

【第2回】 食品の保健機能 ―食品の機能と法制度―
 食品には三つの機能があると言われている。これら食品の機能について実例を紹介する。その中で日本の健康食品をとりまく法制度、特に保健機能食品制度からみた食品の機能について理解を深める。すなわち医薬品・保健機能食品・一般食品の関係をはじめとし保健機能食品(特定保健用食品と栄養機能食品)とはなにかとその機能について説明する。さらに日本の健康食品を取り巻く法律が国民と産業界に与える影響についても言及する。最後に健康食品は今後どのように発展していくか予測してみる。

【第3回】 健康食品を取り巻く環境 ―国際動向と我国の現状―
 健康食品を取り巻く国際環境、特にCODEXでの機能性表記規制についての動向を述べると共に、米国・EUでのサプリメントの法的規制、開発思想を解説する。ついで、我国の動向として、特定保健用食品の実態・現状を述べ、今後の課題を討議する。

【第4回】 健康的な美しさ
 全ての人が持っている肌について、肌の構造、皮膚の役割、皮膚トラブル(ニキビ、アレルギー)、年齢での変化を解説し、基礎化粧の大切さ、年代によったケアが必要である事を説明する。化粧品だけでなく、中からも美しさをたもつために、ファンケルがこだわっている機能性食品について解説を行う。

【第5回】 ダイエットサプリで本当に痩せるのか(1) ―管理栄養士の立場から―
 ダイエットサプリメントは、消費者需要が高く、また、美容のみならず、生活習慣病予防として活用される傾向にあるが、有害性情報も頻繁に報道されている。このようなダイエットサプリメントは、本当に効果があるのか、その有効性と安全性研究の実例を紹介すると共に、管理栄養士の立場からダイエットの在り方を解説する。また、ダイエットサプリメント設計の理論となる(1)栄養素の吸収阻害機能、および(2)脂肪燃焼機能、によるサプリメントの開発事例を紹介し、どのようなレベルで実証研究が行われているか紹介し、理解を深める。

【第6回】 ダイエットサプリで本当に痩せるのか(2) ―薬剤師の立場から―
 第5回に同様 および、薬剤師の立場からみたダイエットの在り方を紹介する。

【第7回】 ミネラル不足解消(1) ―潜在的に拡大する危機―
 栄養施策の最大の課題といわれるミネラル不足について、ミネラル栄養の認識の実態、我国での取り組み事例を紹介する。また、ミネラル吸収機能を持つ新規糖類DFAIIIの実用化における産学官の取り組み事例を紹介し、ミネラル不足の解消に向けた企業の取り組みを解説し、企業研究の理解を深める。

【第8回】 ミネラル不足解消(2) ―Ca吸収と骨つくり―
 前回から継続して、ミネラル不足解消について講義するが、今回は、DFAIIIに特化したミネラル吸収機能の研究事例を深く紹介し、新規成分に対する機能性実証研究を解説し理解を深める。

【第9回】 アレルギー対応サプリメントの効果は? ―花粉症・アトピー性皮膚炎―
 現代病と言われるアレルギー対策は、対処療法として即効性のある医薬品が多様されるが、本質的な体質改善や常用摂取には、食品の抗アレルギー作用を活用したサプリメントの利用が定着している。国民病と言われる花粉症、および深刻な現代病と言われるアトピー性皮膚炎に対するサプリメントの開発事例を紹介し、設計理論、効果実証例を解説する。

【第10回】 伝統食品の機能(1) ―青汁の機能―
 健康食品は体にいいとされているが、実際にどのようにいいのか、サイエンスに基づき解明した結果について紹介し食品の機能性理解の一助とする。まず青汁とは何かを理解するため素材の種類・栽培方法・製造工程について概説する。その後青汁の多岐にわたる機能性のうち花粉アレルギー症状の緩和・IL-4産生抑制作用・アトピー性皮膚炎症状の緩和作用・血糖値上昇抑制作用について学会発表の内容をベースにわかりやすく説明する。

【第11回】 伝統食品の機能(2) ―発芽玄米の機能―
 日本の食文化の中心に位置付けられるコメは、生物資源として非常に重要であり、健康に関して多くの可能性を秘めている。発芽玄米を通じて得られたコメの機能性について、メタボリックシンドロームや脳機能研究に関するトピックスなどを含めた様々なエビデンスや、食品の創出に関する技術開発の一端を紹介する。

【第12回】 健康食品の安全性を保証するために ―安全性確保の現場から―
 健康食品の安全性と信頼性向上についての企業努力、品質管理の実態、販売後のフォローについて具体的事例をあげて解説する。また消費者は、サプリメントにどのような安全性・情報開示を期待しているか、マーケッテング調査結果をもとに紹介し、サプリメントの市場投入のため必要な安全性担保施策を解説する。

【第13回】 健康食品ビジネスの将来展望
 健康食品ビジネスには、医薬品メーカー、食品メーカー、化学メーカーなど多岐に渡る業種からの参入がある。また、各国の輸入障壁の問題とも絡み合い、複雑な様相を呈している。また、健康食品に対する薬事法の規制緩和の推移も不透明な状況にある。このような中で、将来、健康食品ビジネスは、どのような方向にすすむか、医薬品との使い分け、薬事法規制緩和、消費者需要、セルフメデイケーション対策、などを踏まえ、将来像を解説する。

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株式会社ファンケル
http://www.fancl.co.jp/index.html

東京工科大学応用生物学部
http://www.teu.ac.jp/gakubu/bionics/index.html

▼本件に関する問い合わせ先
 東京工科大学 広報課
 TEL: 042-637-2119
 E-Mail: pr@so.teu.ac.jp