東京家政大学

東京家政大学がFCG総合研究所と提携し、2009年4月より「社会と生活環境」と題する寄附講座を開設

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東京家政大学はFCG総合研究所(フジテレビ商品研究所)と提携し、2009年4月から「社会と生活環境」と題する寄附講座を開設する。講師は同社研究員らが務め、新入生向けの半期の講座を受け持つことになる。

 東京家政大学はFCG総合研究所(フジテレビ商品研究所)※と提携し、2009年4月から「社会と生活環境」と題する寄附講座(冠講座)を開設する。講師は同社研究員らが務め、新入生向けの半期の講座として15コマを受け持つ。前期、後期のコースがあるため、通年で講座を開くことになる。
 カリキュラムは環境関連の諸問題、食品や健康、化粧、さらに新聞論やテレビ論、そしてインターネット関連、企業広報など多様。わが国のメディアグループでは唯一の総合研究所としての存在感を示す講座を網羅している。

 今回の提携は、同大が2009年春から、家政学部環境情報学科を環境教育学科として改組・新設するのに伴うもの。同大が企業と連携した冠講座を模索する中、FCG総合研究所の研究業務が、その教育目的に合致するとして提携を申し入れてきた。
 冠講座とはいうものの、この講座は一般のそれとは異なり、両者の理念が一致したところから発した提携講座であり、相互に経済的な対価を伴うものではない。

 同大は、2008年春に発行した「2009年入学案内ダイジェスト版」にて、「東京家政大学が変わります!」とし、「児童教育」「心理カウンセリング」「教育福祉」などの新学科と同時に、「環境教育」「英語コミュニケーション」の2つの生まれ変わった学科(組織変更による改組・改称)を紹介した。その中で、「環境と情報を学ぶための基礎科目」として、FCG総合研究所との連携をうたっている。

 フジテレビFCG総合研究所は、商品研究、環境科学、美容科学等の研究部門とメディア開発、食品調理等の企画開発部門を持ち、広く親しまれている“ESSE”(エッセ)等の雑誌を発行している。暮らしのフィールドにおける“メディア”から“環境”までを網羅する極めて活発な現在進行形の総合研究所である。同大の新生「環境教育学科」の出立にあたって、まさに絶妙のパートナーと期待されている。

【基礎科目――「社会と生活環境」講座 カリキュラム予定】
(1)講座概論とガイダンス (小林静雄・菅沼薫)

(2)暮らしと環境 (矢野誠二):環境問題が国際社旗の政治経済に取り込まれる現状と、生活者が取り組むべき課題を考える。

(3)サービスと環境 (矢野誠二):ビジネスキーワードとなっている環境を、個人向けサービスや商品における取り組みについて解説する。

(4)エコ時代の生活家電 (堀洋一郎):地球温暖化の中で、家電の省エネや環境配慮がどのように行われているか、消費者から見た家電製品のエコを考える。

(5)快適な住環境と健康 (川上祐司):室内で健康に影響を及ぼすダニ・カビ・微小昆虫、ハウスダストの実例を挙げながら、その原因と対策を考察する。

(6)食品の安全とリスク管理 (相良和彦):食品衛生法、JAS法、薬事法、健康増進法など多くの法律で規制されている食品だが、偽装も発覚する中で、食品表示の見方、最新の動向を学ぶ。

(7)健康管理と食生活 (木村いづみ):過食による生活習慣病、若い女性の小食による健康不安などを踏まえ、健康を維持するための食生活を解説する。

(8)肌の科学と化粧品 (塩原みゆき):生活環境、住環境が女性の肌にどんな影響を与えてきたか――皮膚に関する基礎知識や化粧品の選び方も学ぶ。

(9)メイクアップの法則 (菅沼薫):相手に心地よい印象を与える顔をメイクアップで、どう整えるか。化粧の技術や法則を講義する。

(10)社会生活とマスメディア (小林静雄):生活の必要情報を提供しているのがマスメディア。その情報をマスコミはどう集め、どう伝えているか、その役割を解説する。

(11)社会生活と新聞 (小林静雄):新聞1日分の情報は新書版一冊分といわれるが、生活に役立つ新聞の読み方とは何か。業界の現状も解説する。

(12)社会生活とテレビ (境政郎):テレビはなぜ日本人の生活に根を下ろしたのか――視聴率から見たテレビの歴史をたどり、21世紀のテレビ事情も展望する。

(13)社会生活とインターネット (伊藤直樹):いまや生活に欠かせないツールとなったインターネット。ホームページを制作する現場で、いま何が起きているのか、最新ネット事情を紹介する。

(14)社会生活と企業広報 (山本ヒロ子):最近の企業では、広報活動が経営を左右するといわれているが、社会生活と企業の広報活動の関わりを明らかにする。

(15)ミニレポート講評と質疑応答 (小林静雄・菅沼薫):講義ごとに学生に提出させたミニレポートに評価を示した上で、補足説明と寸評を加える。さらに、学生の理解を促進するために、講義を聴いた上での疑問などに答える。

※FCG総合研究所(フジテレビ商品研究所):フジサンケイグループの調査および研究機関を統合して、1985年に誕生。そのユニークな立場と研究・情報発信手段で、「企業」「マスコミ」「消費者」との強い絆を築く。企画開発部と暮らしの科学部は、合わせて通称「フジテレビ商品研究所」とも呼ばれ、暮らしを科学する、主に理系の研究者の集団だ。同研究所が大学に講座を持つのは初めてのことである。
http://www.fcg-r.co.jp/index.htm

▼本件に関する問い合わせ先
 東京家政大学 進路支援センター
 東京都板橋区加賀1-18-1
 TEL: 03-3961-2443
 http://www.tokyo-kasei.ac.jp/index.html