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製造技能工芸学科の市川茂樹教授が技術支援を行い開発されたバリ取り機「バートル」が関係業界で話題に―─ものつくり大学

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ものつくり大学(埼玉県行田市)は三光産業株式会社(埼玉県越生町)の依頼を受け、安価で高性能な「バリ取り機」を開発するため、製造技能工芸学科の市川茂樹教授が技術支援を行った。開発されたバリ取り機「バートル」は、板金加工における製造コストの削減、工場の省人化に役立つものと期待されている。

 三光産業株式会社(埼玉県越生町)が販売するバリ取り機「バートル」が、板金加工業を中心に話題となっている。この開発にあたり、ものつくり大学(埼玉県行田市)製造技能工芸学科の市川茂樹教授が技術支援を行った。

 「バリ」とは、板金プレス成型品の破断面に残る金属の毛羽やでっぱりのことで、製品化するためには、これを除去する必要がある。これまではヤスリなどを使った手作業で行うか、高価な外国製の専用機を使っていた。これでは非常にコストがかかるので、安価で高性能なバリ取り機を開発するため、このたびものつくり大学に技術支援を依頼した。

 従来のバリ取り機は、円周上に短冊状の研磨布(布ヤスリ)を配置したロールを通常6本回転させてバリの除去を行っていた。この研磨布ロールは、研磨布が磨耗してしまえば交換しなければならない消耗品で、高価だ。しかも、研磨布同士が擦れ合うことで、消耗を早めている。

 製造技能工芸学科の市川茂樹教授は、研磨布ロールによる適正バリ取り条件(ロールの回転速度、バリ取り比、ワーク送り速度)をバリ除去率により明らかにした。また、研磨布同士の磨耗を減少させ、研磨布が効率良く破断面に絡みつく構造を発案し、実験を重ねた。この研究には市川研究室の学生も参加し、卒業研究のテーマとし、その成果を学会で発表した学生もいる。

 この結果、研磨布ロール自体の消耗を抑え、従来6本だった研磨布ロールを2本に減らし、最適な回転方向と回転角度に調整することで、立体的な構造の成型品のバリ取りにも対応する、安価で高性能なバリ取り機が開発された。

 現在、市川教授と研究室の学生は、さらに高性能なバリ取り機の開発を目指し、破断面と研磨布ロールの接触面を一定に保つため、接触面にかかるトルクを自動制御することでワークテーブルの位置調整を自動化する研究などを進めている。

▼本件に関する問い合わせ先
 ものつくり大学 学務部
 埼玉県行田市前谷333番地
 TEL: 048-564-3200
 FAX: 048-564-3201
 E-Mail: kubota◎iot.ac.jp
 (「◎」は「@」を示します)
 http://www.iot.ac.jp/