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上智大学が英検協会と共同で「アカデミック英語能力判定試験」開発へ──業務提携に関する基本合意書を締結

大学ニュース  /  入試関連

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上智大学と財団法人日本英語検定協会は、このたび新たな英語テスト「アカデミック英語能力判定試験」(Test of English for Academic Purposes)の開発を共同で行うこととし、業務提携に関する基本合意書を締結した。2010年5月のサンプルテスト発表、同年9月のAO入試での利用を予定しているほか、将来的には他大学での活用も目指している。

1.本試験開発の背景と経緯
 大学教育は、少子化の進行や大学進学率の上昇等の要因によって、大きな転換期に直面している。とりわけ学生の受け入れに関わる大学入試は、その制度の良し悪しが大学教育のあり方を大きく左右するといっても過言ではない。各大学とも、これまでに公募制推薦入試やAO方式の導入など、実施方式・形態の多様化を重ねてきたが、一方で、大学教育レベルにふさわしい「英語力」(英語で講義を受ける、英語の文献を読み解く、英語で発表を行う等)を問う試験としての質的向上を図る必要も生じている。

 こうした中、上智大学では2008年度、学内に入試制度改革を検討する委員会を設置し、より相応しい学生選抜のための入試制度のあり方を検討した。その制度設計の柱となる施策として、新たな英語試験の開発を財団法人日本英語検定協会(以下、英検協会)と共同で行うことができないか提案がなされ、双方で協議を重ねた。

2.本試験の社会的意義
 「日本というEFL※環境の中で、英語ができるようになるとはどういうことか」という問題に対して、上智大学と英検協会は、本試験を通じて一つの提案を行うものである。それは、上智大学の入学試験の改善に資するとともに、日本の英語学習者に対する英語学習のあり方や方向性を示唆する上で、大きな社会的意義を持つものであると考える。平成25年度には、新学習指導要領に基づく英語学習者が大学入学年度を迎えるが、その期待される成果を本試験が示すことにもなると考えている。
(※EFL=English as a Foreign Language、英語を母語としない)

3.本試験の概要
(1)本試験は、入学者選抜のためのproficiency test(能力判定試験)である。
現在、上智大学の入学者選抜方式はさまざまだが、本試験はそのすべての選抜方式における英語力の指標として活用する。
(2)本試験の第1回実施は、2010年9月実施予定の特別入学試験(AO方式)とする。
2012年度には志願者の便宜を図るため、年に複数回実施する。
(3)本試験は、2012年度実施試験より、他大学も利用できるようにする。
他大学も、入学者選抜における英語力の指標として利用できるようにする。
(4)本試験は、4技能(R/L/S/W)を測定できるものとする。
本試験を入学者選抜に利用するにあたっては、その利用形態の多様性を保証するため、以下の3つのカテゴリーから構成する。また、受験生に受験すべき組み合わせを学科別に指定する。
  1)Reading & Listening test(Language knowledgeも含む)
  2)Speaking test
  3)Writing test
(5)本試験は、その結果をスコア制(標準化されたスコア)で採点する。
試験結果はスコア制で採点し、弱点を指摘し、受験生の今後の能力強化方法の発見に役立てる。
(6)本試験は、受験者全員に対して、効果的なウォッシュバック(波及効果)を目的としたフィードバックを可能な範囲で行う。
 具体的には、
  1)試験で計測した能力別のスコア
  2)バンドの表示
  3)他試験(英検等)との関連
  4)英語でどのようなことができるか(英語の新聞が自由に読めるなど)
などである。
(7)本試験は、予めサンプル問題を公開する。
試験の形式や内容については、サンプル問題を公開するという形で行う。

4.テスト開発スケジュールおよびそれぞれの役割
 以下のような日程で、テスト開発作業を進めていく予定である。
・2010年5月:  サンプルテストの発表
・2010年9月:  特別入学試験(AO方式)において初回実施
・2012年4月以降: 年に複数回の実施

○上智大学側の役割
1)テスト開発室の設置
2)問題に求めるニーズ分析
3)問題形式の検討【協同作業】
4)テストの実施(問題冊子の印刷、採点)
5)テスト結果の分析【協同作業】

○英検協会側の役割
1)問題形式の検討【協同作業】
2)問題作成
3)テスト結果の分析【協同作業】

▼本件に関する問い合わせ先
○上智大学 総務局企画広報グループ
 〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
 TEL: 03-3238-3179
 FAX: 03-3238-3539
○財団法人日本英語検定協会 広報部 担当:小西
 〒162-8055 東京都新宿区横寺町55
 TEL: 03-3566-6580
 FAX: 03-3266-6570

491 基本合意書を取り交わす日本英語検定協会の赤尾文夫理事長(左)と上智学院 高祖敏明理事長(右)