酪農学園大学

酪農学園大学が「公開シンポジウム」開催: 奇跡のリンゴと希望のミルク―健康な土から生まれるリンゴと牛乳―

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酪農学園大学と酪農学園ミルク産業活性化推進委員会、同大農業経済学科、地域拠点農学エクステンションセンター(酪農学園大学・北海道大学・帯広畜産大学:3大学連携センター)は3月4日、同大学生ホールにて、 公開シンポジウム“奇跡のリンゴと希望のミルク”―健康な土から生まれるリンゴと牛乳―を開催した。

  現在ほど食をめぐる問題が大きくなったことは、過去にも例を見ない。これは、食物生産の在り方や流通など供給の在り方そのものが問われる根源的な問題であり、食の安全、安心の基本的な課題とも言えるだろう。
 今回開催されたシンポジウムでは、今後の日本における食物生産の的確な方向性を見出す一助とするために、日本における食物生産の在り方を先験的に問い、幾多の試行錯誤と苦節の年月を経て到達した2名の農家の方々から講演をいただいた。

 お一人は、「『こたえは必ずある』自然農法によるリンゴ栽培」と題して青森県弘前市の果樹農家木村秋則さん、もうお一人は「『自然』『人』全てにやさしい循環酪農をめざして」と題して北海道網走郡津別町の酪農家山田照夫さんだ。

 木村秋則さんは、20代前半から農業に従事し、その後、無農薬、無肥料によるリンゴ栽培を試み始めてから、10年近く無収穫を経験の後、ついに無農薬、無肥料で慣行栽培の80%の収量が安定的に得られる栽培法を確立した。
 この間、孤立無援、リンゴによる収入ゼロの極貧生活の中で、栽培法を暗中模索する苦闘の日々と感動的な成功の瞬間までの道のりを、むしろユーモアいっぱいに語った。

 山田照夫さんは、津別町有機酪農研究会の仲間と共に、酪農における無農薬・無化学肥料による自給飼料の生産を目指した。
 当初は飼料用トウモロコシや牧草の収量が3分の1に激減し、借金がかさむ中で、牛の尿に微生物を入れ、この微生物が尿を分解する「ゆう水施設」に出会い、これで無味無臭となった液体を畑にまいて有機栽培飼料を生産し、さらに濃厚飼料の一部も輸入有機飼料とした。
 こうして平成18年9月JAS認証を受けた無農薬・無化学肥料の有機飼料を使用して生産した有機加工食品としてのJAS牛乳1号(「明治オーガニック牛乳」)が誕生するまでの経過を、豊富なスライドを示しながら力強く語った。

▼本件に関する問い合わせ先
 酪農学園大学 広報室
 〒069-8501 北海道江別市文京台緑町582
 TEL: 011-388-4158
 FAX: 011-388-4157
 http://www.rakuno.ac.jp/

529 木村秋則さん

530 奇跡のリンゴ

531 山田照夫さん