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明治大学が世界中のアーティストに衝撃を与えたマンガ界の巨匠・メビウス氏を招請し、シンポジウムとライブ・アート・パフォーマンスを開催

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明治大学国際日本学部では、5月9日(土)にフランスのみならず世界を代表するマンガ家であるメビウス(本名:ジャン・ジロー)氏を日本に招請し、駿河台校舎アカデミーコモン3F・アカデミーホールにて、京都精華大学と共同でシンポジウムを開催する。

 1960年代半ば、『ブルーベリー中尉』で人気作家となったメビウス氏は、1975年、いまや伝説となったSFマンガ誌『メタル・ユルラン』を仲間とともに創刊。独特な絵柄と世界観を持ったSF作品を次々に発表し、その衝撃的な作品は、現在に至るまで世界中のアーティストに強い影響を与え続けている。

 日本でも、メビウス氏から影響を受け、敬意を表している作家として、手塚治虫をはじめ宮崎駿、大友克洋、谷口ジロー、松本大洋、寺田克也といった名前が挙げられる。また、同氏はハリウッド映画ともかかわりが深く、映画『ブレードランナー』にも間接的に影響を与えたといわれ、『エイリアン』『トロン』『フィフス・エレメント』といった作品には、実際にコンセプチュアルデザイナーとして参加している。

 明治大学国際日本学部では、そのメビウス氏を日本に招請し、5月9日(土)に駿河台校舎アカデミーホールにてシンポジウム「メビウス ∞ 描線がつなぐヨーロッパと日本」を開催する。東京でのシンポジウムでは、『PLUTO』『20世紀少年』などの人気作で知られ、メビウス氏の大ファンでもある浦沢直樹氏と、マンガコラムニストであり学習院大学大学院教授でもある夏目房之介氏をゲストに迎え、これまであまり知られていなかったヨーロッパのマンガと日本マンガの相互関係について考察する。

【日 時】 5月9日(土)13:30~16時 (12:30開場)
【場 所】 明治大学駿河台校舎 アカデミーコモン3F アカデミーホール
【定 員】 1050人(先着順・入場無料)
     ※誠に申し訳ございませんが、定員になり次第、入場をお断りさせていただきます
【出演者】 メビウス×浦沢直樹+夏目房之介  司会:藤本由香里
【内 容】
 *シンポジウム「メビウス ∞ 描線がつなぐヨーロッパと日本」
   メビウス×浦沢直樹+夏目房之介 司会:藤本由香里
     ・メビウスの人と作品(ビデオクリップ)
     ・メビウス自作を語る
     ・メビウス日本マンガを語る
     ・それぞれのメビウス体験
     ・日本マンガの中のメビウス
     ・ヨーロッパのマンガと日本マンガ ……etc.
 *メビウスによるライブ・アート・パフォーマンス

【主 催】 明治大学国際日本学部 
【協 賛】 メビウスプロダクション 在日フランス大使館
【シンポジウムの目的】
 シンポジウムの狙いは、フランス(海外)と日本との情報ギャップを埋め、メビウスを象徴とするヨーロッパのマンガと日本のマンガとの相互の影響関係について考察すること。メビウスの仕事は世界的には非常に有名だが、日本では、アーティストからは絶大な尊敬を集めていながら、一般にはあまり知られていない。
 その情報ギャップを埋め、メビウスの仕事についてもっと知ってもらいたい。加えて、これもあまり知られていないが、実は日本マンガにもヨーロッパの遺伝子が入っていることを知ってもらう。そして逆に、ヨーロッパで日本のマンガはどう評価され、受け止められているのかについても、メビウス氏の口から語ってもらいたいと考えている。

【出演者プロフィール】
○メビウス(Mœbius)
 1938年、パリ郊外で生まれる。本名はジャン・ジロー(Jean Giraud)。こちらの名は、『ブルーベリー』をはじめとした西部劇ものにもちいられ、メビウス名は主にSF作品で使われる。日本への影響も大きく、かつて手塚治虫はみずからメビウス来日を実現させ、宮崎駿が日本の「マンガ界の多くの人間たちを代表して」、感謝の気持ちを伝えたほど。
 1970年代半ば、仲間たちと共に革命的SFマンガ雑誌「メタル・ユルラン」を創刊。そこに掲載された『アルザック』によって、それまでのマンガについての概念を一気にぬりかえた。ほかの代表作に『回り道』『気狂いバンダール』『ジェリー・コーネリアスの密閉ガレージ』、『B砂漠の四十日』など多数。自身について語った本に、『メビウス/ジロー 二重の自叙伝』がある。(以上すべて未訳)
 また、『ザ・ロング・トゥモロー』は映画『ブレードランナー』の源泉のひとつとなり、『エイリアン』『トロン』『フィフス・エレメント』などへは実際に制作に参加するなど、映画とのつながりも深い。『アルザック』は『アルザック・ラプソディー』というタイトルでみずからアニメ化もしている(5月20日、日本コロンビアから発売)。
http://columbia.jp/dvd/titles/moebius/

○浦沢直樹(うらさわ・なおき)
 1960年東京生まれ。83年『BETA!!』でデビュー。以来、担当編集者の長崎尚志とともに『パイナップルARMY』『MASTERキートン』など海外を舞台とした骨太な作品を連載する一方で、コミカルな味を持った『YAWARA!』『Happy!』などでも人気を得る。『MONSTER』と『PLUTO』で二度の手塚治虫文化賞大賞を受賞したほか、『YAWARA!』『MONSTER』『20世紀少年』で三度の小学館漫画賞、『20世紀少年』で講談社漫画賞、『20世紀少年・21世紀少年』で日本漫画家協会賞大賞を受賞するなど、受賞歴も数多い。また、『20世紀少年』はアングレーム国際マンガ祭で最優秀長編賞を受賞しており、海外での評価も高い。『PLUTO』がこの4月に完結し、現在は『モーニング』誌で『BILLY BAT』を連載中。

○夏目房之介(なつめ・ふさのすけ)
 1950年東京生。青山学院大学卒。エッセイ、マンガ、マンガ批評など。 1999年、マンガ批評への貢献により手塚治虫文化賞特別賞受賞。同年パリを初め欧州各地での国際交流基金主催「現代日本短編マンガ展」監修。2008年より学習院大学大学院教授。著書に『手塚治虫はどこにいる』『マンガに人生を学んで何が悪い』『漱石の孫』など多数。祖父は夏目漱石。

【司会者プロフィール】
○藤本由香里(ふじもと・ゆかり)
 1959年熊本生まれ。評論家・明治大学国際日本学部准教授。専攻は「マンガ文化論」。07年まで筑摩書房で編集者をする傍ら、コミック・ジェンダー・社会風俗などについて評論活動を行う。国際日本学部開設に伴い、08年4月より現職。手塚治虫文化賞・講談社漫画賞選考委員。日本マンガ学会理事。著書に『私の居場所はどこにあるの?』(朝日文庫)など。

▼本件に関する取材の申し込み先
 明治大学広報課
 TEL: 03-3296-4082
▼一般からの問い合わせ先
 明治大学国際日本学部事務局
 TEL: 03-5300-1518