法政大学

大学院生による学習アドバイザー制度を好評展開――法政大学図書館

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法政大学図書館では、大学院生が学部生の学習相談を受け学習支援をする「学習アドバイザー制度」をスタートさせた。論文作成のサポート、効率的なプレゼンテーションのアドバイスなどを行っており、利用した学部生からも好評だ。学生のアカデミックスキルを向上させる取り組みとして期待されている。

 法政大学では図書館を市ケ谷、多摩、小金井の各キャンパスに設け、多くの学生に利用されている。この3図書館で今年5月からスタートしたのが、大学院生が学部生の相談を受ける「学習アドバイザー制度」だ。院生たちが図書館内のサポートデスクに常駐(相談対応曜日はキャンパスによって異なる)し、学生からの相談にあたるシステムである。

 相談内容は、主に論文・レポート作成のサポートやプレゼンテーションの方法のアドバイスなど。代筆や資料検索の代行をするのではなく、あくまで学部生の自主的な学習活動を、“先輩の立場”から助言し支援するスタイルだ。教員や職員とは異なり、歳も近い院生の親身な応対は相談に訪れた学生からも好評だ。実施して約1か月、寄せられた相談は、授業の課題であるレポート作成や資料の作成に関するものが多く、また外国語に関する質問もあるという。

 授業で基本的な指導は受けているが、ライティングに慣れない学生は、いざレポートを書くとなると迷いが生じてしまうこともある。そんな悩みを解消する一助となっている。

 また、2007年度後期から3キャンパスの図書館で「ゼミサポート制」という名称で各学部ゼミの情報リテラシー教育とレファレンスサービスを実施している(多摩図書館では、2004年度より実施)。図書館職員とゼミ教員が、研究分野の特性を踏まえて協働して支援にあたるシステムで、2008年度で5753人のゼミ生の参加実績がある。このため、ゼミ所属の学生が「学習アドバイザー」に、ゼミリポートなどに利用する資料検索や入手・購入などの相談をした場合、ゼミの事情にもより詳しい「ゼミサポート」の担当職員に対応を引き継ぐことになる。このほか、就職や生活相談といった質問に関しては、学内の担当部署の相談窓口を紹介することとしている。

「学習アドバイザー」を務める院生は公募ではなく、教員等から推薦を受け、依頼しているのが特徴。事前に説明を行い、守秘義務や、応対法なども徹底させている。文系の学生の多い市ケ谷キャンパスでは語学が堪能な院生が、外国語のレポート作成の相談などにも積極対応。理系学部が集まる小金井キャンパスでは、専攻の異なる院生が月曜~金曜に日替わりで相談にあたっている。多摩キャンパスでは福祉系と社会学系の院生2名が月曜~金曜に交替で、多摩の4学部生に対して優しく、行き届いたアドバイスを提供しており、各キャンパスの特性が生かされたアドバイザーの配置となっている。

 法政大学図書館では、「かねてより聞かれていた学生の要望に応えたものです。学生の皆さんには、ぜひとも、これらの制度を積極的に活用してほしいと思っています」と話す。学生からの相談内容などは集計して、相談の多い事柄に関しては、別途フィードバックする形で、特化した講座の開催も考えているという。
 図書館は大学の“知の源泉”。自ら考え、問題を発見し、解決できるアカデミックスキルを身につけた自立型人材を育成するために、法政大学図書館では多様なサポートを続けている。

▼本件に関する問い合わせ先
法政大学市ケ谷図書館 TEL:03-3264-9528
法政大学多摩図書館   TEL:042-783-2280
法政大学小金井図書館 TEL:042-387-6061

659 外国語レポートの相談にも親切に対応(市ケ谷)

661 優しく行き届いたアドバイスが好評(多摩)

660 職員と連携をとりながら相談にあたっている(小金井)