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明治大学が、明大付属明治高・中の校舎移転に伴う校地発掘調査の報告会を21日に開催 ~石器2万9000点、礫群300カ所など国内最大級の出土数~

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明治大学付属明治高等学校・中学校の東京都調布市富士見町への校舎移転(2008年4月)に先立ち、明治大学は約1年半にわたって校地の発掘調査を行った。その調査結果に関する報告会「調布付属校用地の石器時代から現代まで」が11月21日(土)午後2時半から、明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー(東京都千代田区神田駿河台)で開催される。

 調査では、後期旧石器時代の石器集中部や、大量の石が1カ所に集積した遺構「礫群(れきぐん)」など、国内の発掘調査の中では最大級の出土物が確認されたほか、戦時中に戦闘機を格納していた「掩体壕(えんたいごう)」も発見されるなど、この校地が数万年の時代の枠を超えた歴史の“語り部”であることが確認されている。

 校地のすぐ近くを流れる「野川」という川の流域は、後期旧石器時代の遺物・遺構の発掘がこれまでにも多数あり、当時の研究のメッカとなってきた。今回の発掘調査は2005年8月から2007年1月まで行われ、後期旧石器時代の遺物としては、石器が約2万9000点も出土した。これは、集落遺跡としては国内では最大級の出土量となる。また当時、多数の人間が集まっていた集落に見られる「礫群」と呼ばれる遺構も、約300カ所確認された。これも、過去最大級の発見数である。

 また、この校地には戦時中、日本陸軍の調布飛行場の周辺施設が存在したが、今回の調査では、半地下式の戦闘機の格納庫「掩体壕」が発見された。全国でこれまでに確認されたものは一部が埋もれてしまった状態であったが、今回発掘された掩体壕は初めて全体像がわかる形で残っており、当時の状況がわかる重要な史料となっている。

 報告会では、「明治大学校地内遺跡調査団」の調査研究員3人が、発掘調査の結果についてテーマごとに報告を行うほか、日本考古学協会の元会長で明治大学名誉教授の大塚初重氏が「わが戦争体験と考古学」をテーマに特別講演を行う。当日は入場無料、事前申し込み不要。

▼本件に関する問い合わせ先
 明治大学校地内遺跡調査団
 TEL: 042-363-6033
 明治大学広報課 西川
 TEL: 03-3296-4082