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“未来環境対応型”スーパー・エマルション燃料による廃油エマルション燃料の実用化へ!──神奈川大学

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学校法人神奈川大学(横浜市神奈川区・理事長伊藤文保)の産官学連携プロジェクトチームは、田嶋和夫特別招聘教授らが開発した「三相乳化技術」をもとに、工場から排出される廃油・廃食油などの油剤をエマルション燃料化し、燃焼性の向上化の研究に取り組んできた結果、工場から排出される利用価値の低い油剤を、効率よくエマルション燃料化することに成功。同法人が設立したベンチャー企業「未来環境テクノロジー株式会社」を通じ、前田建設工業株式会社・月島機械株式会社と共同して、フジミ工研株式会社において、実用化に向けて、この新しいエマルション燃料の実機ボイラーによる試験運用を開始した。

 田嶋和夫特別招聘教授らが開発した「三相乳化技術」は油の種類を問わずに安定な乳化系を作ることができるので、さまざまな機能性有機材(農薬、防バイ剤、食用油など)の乳化系にも使用することが可能。現在、多岐の分野に亘って応用研究が進められている。
 特に、石油系燃料をエマルション化したエマルション燃料では、自動車、ディーゼル発電機、ボイラー燃焼など広範に検証。燃料をエマルション化することで、窒素酸化物(NOx)の削減や排煙中の炭素微粒子(PM)の激減など環境に適した燃料に改善できることを実験によって検証し、2006年7月にその結果を公表している。
→ http://www.kanagawa-u.ac.jp/13/pressrelease/pdf/060712.pdf

 神奈川大学産官学連携プロジェクトチームでは、「三相乳化技術」によって、難燃性で再利用が困難な廃油をエマルション化することで燃焼性を向上させ、排気ガス性状の改善を図り廃油の利用価値を高めることを目的として、A重油燃焼可能な農業用ボイラー(ハウス加温機)で行った燃焼実験では、助燃剤としての灯油に廃油を7割添加した燃料でも排気ガス性状はA重油燃焼の場合と大きな差異は見られず廃油をエマルション化することでボイラー燃料として使用可能であることを確認、コンクリート製品製造のフジミ工研株式会社(東京都千代田区)で実機として使用されているIHI製2トン貫流ボイラーを用いて、廃油エマルション燃料の燃焼性、排気ガス特性、及び蒸気発生量の検証を行った。

 その結果、低・中・高燃焼のいずれもNOxは大幅に低減し、CO濃度も問題ないと判断、また、実機試験における蒸気発生量の測定結果、A重油の規格値と大きな差異ことを確認したことから、フジミ工研株式会社において、廃油エマルション燃料の長期試験運用を開始したものである。

 当成果に関するプレスリリースおよび記者発表用のプレゼンテーション資料はこちら。
→ http://www.kanagawa-u.ac.jp/13/pressrelease/pdf/091202.pdf

▼本件に関する問い合わせ先
 神奈川大学広報部
 Mail: tajima-proj@kanagawa-u.ac.jp
 TEL: 045-481-5661(代)

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