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　文教大学国際学部（神奈川県茅ヶ崎市／宮原辰夫学部長）で国際協力活動を実践している文教ボランティアズ（※）の学生が８月２６日、コソボ共和国の首都プリスティナで、ファティミール・セイデュー大統領と会見した（添付資料の写真）。　

　会見日のちょうど１カ月前は、皇太子妃雅子様の父である小和田恒氏が所長を務める国際司法裁判所（総会、安保理等と並ぶ国連６大主要機関の一つ）が、「コソボの独立宣言は国際法並びに関連の国連決議に反するものではない」との判断を下したばかりであった。近づく国連総会でもセルビアの提起により、コソボ独立問題が論議される見通しの中、コソボには連日EU(欧州連合)や関係諸国の外交幹部が訪れて、大統領も職務に忙殺されている最中での会見となった。
　表敬訪問が可能かどうか、日本出発時には不明だったが、コソボ到着の翌８月２３日、在東京コソボ大使館のサミ・ウケリ大使から中村教授に「２６日午前１０時に大統領が官邸でお会いする」との電話が入った。

　会見では、大統領からコソボ紛争後の日本のさまざまな復興協力やコソボ独立宣言直後の日本の承認（２００８年３月）への感謝をはじめ、今春にアジアでは唯一の大使館を日本に開設したことに触れ、コソボにとって日本がいかに重要な友好国であるかを熱心に語られた。
　中村教授からは、日本もサンフランシスコ講和条約後国連加盟までには数年かかったこと、同大のコソボ復興協力活動が今年で１０年目を迎えたこと、さらに今回はコソボの学生たちとの平和セミナーなどでの交流、小学校や紛争被災者家族への支援などのために訪問している事情が説明された。
　大統領はボランティア活動にも感謝と敬意を表明した後、「訪日の機会にはぜひ文教大学で学生たちと懇談したい」との希望を述べられた。当初は１０分程度の表敬と見られていたが、会見は３０分に及んだ。会見が行われた執務室横の控え室では、次の訪問団数人が待機していた。

　９月１５日には、コラブ・セイデュー法律顧問（大統領と同姓は偶然）から「日本からの大事な訪問客への時間は最優先で調整する」とのメッセージとともに、添付資料の写真（官邸公式カメラマン撮影）が送られてきた。
　紛争終了後１１年、独立宣言後２年のコソボは承認国が６９カ国となり、今後承認国の増加とともに、国連加盟、EU加盟などが重要課題とされている。世界銀行や国際通貨基金（IMF）には既に加盟しており、日本政府はコソボ政府内に開発アドバイザーとしてJICA専門家を送り込むなど、協力活動を推進している。

※添付資料　【会見の写真および文教ボランティアズの説明文】