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学習院大学 荒川正明教授原作執筆「映画『HAZAN』鑑賞の夕べ」を開催――日本近代が生んだ孤高の陶芸家・板谷波山を描く

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学習院大学では11月19日(金)に、「映画『HAZAN』鑑賞の夕べ」を開催。近代初の個人陶芸家を目指した板谷波山(いたやはざん)の生涯を描いた映画『HAZAN』(文学部哲学科・荒川正明教授原作執筆)の上映を行う。さらに、この映画の見どころと、東西の工芸様式の融合ともいえる“波山陶芸”の魅力を荒川教授自らが解説する講演も実施する。入場無料、事前申し込み不要。

 学習院大学文学部哲学科・荒川正明教授原作執筆の映画『HAZAN』が映し出すのは、今から約100年前、板谷波山()が陶芸家の道を歩み始めてからの約10年間である。近代初の個人陶芸家を目指し、さまざまな苦境に立たされながらも家族や仲間たちに支えられ、「葆光彩磁(光を包むうつわ)」を完成させてゆく。理想の陶芸をひたすら追求し続ける波山夫婦を、榎木孝明と南果歩が熱演し、スクリーンの中ではデビュー当時の波山作品が実際に使われた。映画は第12回ブルガリア国際映画祭グランプリに輝いている。
 
 なお、学習院大学文学部哲学科では2008年に、荒川教授による日本の工芸史を専攻する講座を開設した。ゼミでは茨城県筑西市にある「板谷波山記念館」の活動をサポートし、大学院生を中心として資料の調査・研究を進め、同記念館の秋季企画展にも協力している。こうした成果を結実させている荒川ゼミは、板谷波山研究の拠点ともいえる。
 
※陶芸家・板谷波山について
 板谷波山(いたやはざん・1872~1963)は、明治から昭和にかけて約60年間の作陶人生を歩み、1953(昭和28)年に文化勲章を受章(工芸家としては初)。2002(平成14)年には「葆光彩磁珍果文花瓶」が、近現代陶芸作品として初の国指定・重要文化財指定を受けた。波山陶芸の特徴は、東洋の古陶磁がもつ鋭く洗練された造形を骨格として、19世紀末の西欧のアール・ヌーヴォースタイル、つまり優雅で官能的な装飾性を加えた、いわば東西の工芸様式の融合にあるといえる。崇高な造形は現在まで他の陶芸家の追随を許さず、日本陶芸史上において屹立した存在である。
 
◆学習院大学文学部哲学科美術史学専攻日本工芸史講座
 映画『HAZAN』鑑賞の夕べ 陶聖・板谷波山―日本近代が生んだ孤高の陶芸家
【開催日時】
 11月19日(金)18:00~
 ※17:30開場
【開催会場】
 学習院創立百周年記念会館正堂
【プログラム】
 ●17:30 開場
 ●18:00 講演
  「映画・HAZANの見どころ、波山陶芸の魅力」
   荒川正明(映画原作『板谷波山の生涯』執筆者、学習院大学教授)
 ●18:20 開映
  映画『HAZAN』上映
   (ブルガリア映画祭グランプリ受賞 2003年制作桜映画社)
 ●20:10 終演
【入場料】
 入場無料、事前申し込み不要
【主催】
 学習院大学文学部文学会
【協力】
 板谷波山記念館
 
▼本件に関する問い合わせ先
 学習院大学文学部哲学科
 (東京都豊島区目白1-5-1)
 TEL:03-3986-0221(内線5716)
 URL: http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-hum/art/