工学院大学

工学院大学が被災者のためのダンボールシェルターを開発――避難所内で温かくプライベートな空間の確保を実現

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工学院大学建築学部建築学科の鈴木敏彦教授が、東北地方太平洋沖地震において被災されて、体育館等の避難所で避難生活をされている方の生活空間の改善に役立つダンボールシェルターを開発した。

 このダンボールシェルターは、段ボールを材料として、誰でも簡単に製作できる一人用のテント。体育館のような広い空間で多数の人が密集して生活をしている場合には、個人のプライバシーを確保するのが難しい状況となり、また十分な暖房が使えない中で、朝夕の冷え込みに耐える生活が強いられている。このような避難所の生活環境に対して、温かく、またプライベートな空間を確保することが、早急に求められていた。

 そこで、工学院大学建築学部の鈴木敏彦教授は、被災者の方々が苦労されている様子を考慮して、少しでも避難生活を改善するために、建築家としての活動や経験を活かして、段ボールを材料とした一人用の小さな家を考案した。

 ダンボールシェルターには、2種類のタイプの形状があり、ダンボール4・8板(1200mm x 2400mm )があれば製作できる。<写真参照>
 (1)タイプ1:一時的な個人用の寝室として
   組み建てると内部の空間は、幅:1000、奥行:2000 mm、高さ:1000 mm。
 (2)タイプ2:更衣室や避難トイレのスペースとして
   組み建てると内部の空間は、幅:1000mm、奥行:1000mm、高さ:1800mm。

 このダンボールシェルターは、ダンボールとカッターだけで、特別な道具や技術を使うことなく、誰でもどこでも簡単に現場で製作する事が可能である。製作図面は、工学院大学のホームページ上で、クリエイティブコモンズのライセンスに基づき公開し、一定の条件のもとで広く利用可能となる。また、素材がダンボールなので、窓を大きくしたり、屋根を取り外したり、名前を書いたり、自由にカスタマイズができる。

 同大では、建築系学科同窓会の支援のもと、初期ロットとして4月中旬までにタイプ1を300個準備して、被災地域へ提供する予定である。(提供予定地域:気仙沼)。さらに4月末までには、タイプ1、2合わせて500個を準備する予定である。

 さらに、現在、このダンボールシェルターの被災地向けの提供にあたり、「100万円でダンボールシェルター300個!」募金を行っている。同大の学園創立125周年記念事業募金「東日本大震災に関わる学生ボランティア活動の支援」を窓口に、協力企業やスポンサーを募集していく。

▼募金の問い合わせ先
 学園創立125周年記念事業募金
 「東日本大震災に関わる学生ボランティア活動の支援」
 担当部長: 金井
 TEL: 03-3340-1449
 E-mail: ichiro_kanai@sc.kogakuin.ac.jp

▼本件に関する問い合わせ先
 工学院大学 総合企画室学園広報担当
 TEL: 03-3340-1498 
 FAX: 03-3345-0228
 http://www.kogakuin.ac.jp/

2112 タイプ1:一時的な個人用の寝室として

2113 タイプ2:更衣室や避難トイレのスペースとして