立正大学

東日本大震災「悲惨・悲嘆」の只中に「ケアの思想」の錨を――立正大学が連続講演会「ケアロジーを創る」を開催

大学ニュース  /  イベント  /  地域貢献  /  その他

  • ★Facebook
  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

立正大学では10月8日(土)より、連続講演会「ケアロジーを創る」(全6回)を開催する。これは、同大の研究ビジョンである「ケアロジー」を体系化したもので、文学部哲学科金井淑子研究室が主宰する「ケアの思想を編む」研究会に所属する若手研究者の協力を得て行われる。テーマは「東日本大震災の〈悲嘆〉の只中に、〈ケアの思想〉の錨を」。哲学・倫理学・宗教・医療の場面から、学際的・複眼的に大震災を問い返していく。

 立正大学では、建学の精神にもとづいて新しい学際的分野「ケアロジー()」を提唱し、その実現に向けた取り組みを進めている。

 人間と人間、人間と社会、社会と社会、人間と地球などの関係性が悪化し、人種問題、南北問題、環境問題などさまざまな問題が起こる中で、同大が持つ研究領域である「人間・社会・地球」の考察を深めるだけでは真の問題解決に至らない。重要なのは、個々の要素を分析するだけでなく、「関係性」に着目し、その「関係性」を修復(ケア)できるよう学際的・複眼的なアプローチ・研究を行うことである。同大はこの「ケアロジー」に、異知の融合を図り、新たなコンセプトやアプローチを社会に提供・還元していくという強い意志と想いを込めている。

 こうした中、同大は10月8日(土)より、文学部哲学科金井淑子研究室が主宰し連続講演会「ケアロジーを創る」(全6回)を開催する。詳細は以下の通り。

「ケアロジー」とは、同大がつくった造語(「care」+「logy」)。

◆連続講演会「ケアロジーを創る」
 自然と人間の関係、科学技術のあり方について、日本の近代文明そのものについて、根本的な問い直しが突きつけられている。「わたしたち人間は生き物であり自然の一部である」という思想に立ち返らねばならない。まさに日本の近代文明のあり方が問い糾されている。思想が、哲学が、根底から問われている。思想のパラダイム転換が突きつけられている。「東日本大震災の〈悲嘆〉の只中に、〈ケアの思想〉の錨を」のテーマにはこのような思いが託されている。
 この企画は、立正大学文学部哲学科金井研究室が主宰する「ケアの思想を編む」研究会の若手研究者の協力を得て行われる、東日本大震災後の状況への発信である。哲学・倫理学・宗教・医療の場面から、3.11状況を学際的・複眼的に問い返し、この未曾有の危機を前にして、人間・自然・社会関係の修復に「ヴァルネラビリティ」と「サステナビリティ」の視座が不可欠となることを提案していきたいと考えている。また、「真実」「正義」「和平」の建学の理念のもと「モラリスト×エキスパート」を教育目的に立て、「ケアロジー(ケア学)」の確立を目指す立正大学のブランド・ビジョンにも深く関わる取り組みでもあるところから、立正大学の学園振興政策プロジェクト経費を受けている。「人間」「社会」「地球」の関係性を修復することを基本理念とし、「人文科学」「社会科学」「自然科学」を融合し、人間(心と身体)、社会、地球環境を捉える諸問題をケアし、健全で豊かな状態を創造するための学問として位置づけるべきケアロジー。まさにこの「ケアロジーを創る」「ケアの思想を編む」取り組みは、「復旧・復興」へのさまざまな場面からのグランド・ビジョンの提案や政策提言が活発化する今こそ、喫緊の課題とされる必要があるだろう。(以上、企画趣旨書より)

【開催内容】
●第1回 10月 8日   金井淑子(立正大学文学部哲学科教授 倫理学)
  「破壊と喪失の、この痛みの感覚から、いのちとケアの思想の育みに」
●第2回 10月15日   村上喜良(立正大学文学部哲学科教授 哲学)
  「キリスト教的生命倫理学から震災を考える」
●第3回 10月22日   川本隆史(東京大学大学院教育学研究科教授 社会倫理学)
  「《全体的かつ個別的に》 震災後の正義とケアをめぐって」
●第4回 11月26日   竹内整一(鎌倉女子大学教授・東京大学名誉教授 倫理学)
  「復興への思想的源を求めて 災害と日本人の精神史的DNA」
●第5回 12月 3日   色平哲郎(JA長野厚生連佐久総合病院 地域医療部地域ケア科医長)
  「ぶつかり体験と〈仏教的ケア〉 金持ちより心持ち」
●第6回 12月10日   清水海隆(立正大学社会福祉学部教授 仏教福祉哲学)
  「仏教経典は災害・被災者をどのように捉えるか」
【開催時間】
 13:00~15:00
【実施】
 科学研究費補助金事業 &立正大学学園振興政策プロジェクト事業
【運営】
 「ケアの思想を編む」若手研究者の会
【申し込み・問い合わせ先】
 連続講演会「ケアロジーを創る」事務局
 E-mail: ky@ris.ac.jp
 
■立正大学(りっしょうだいがく)
 ・学長:山崎和海(やまざき かずみ)
 ・2012年に開校140年を迎える。8学部15学科、7研究科、9研究機関の総合大学。
 ・大崎キャンパス: 東京都品川区大崎4-2-16
                  仏教学部/文学部/経済学部/経営学部/心理学部
                  文学研究科/経済研究科/経営研究科/心理学研究科
 ・熊谷キャンパス:埼玉県熊谷市万吉1700
                  法学部/社会福祉学部/地球環境科学部
                  法学研究科/社会福祉学研究科/地球環境科学研究科
 
※2012年4月、社会福祉学部人間福祉学科は『子ども教育福祉学科』へ学科名を変更予定。
  http://www.ris-fuku.com/

▼本件に関する問い合わせ先
 立正大学 学長室政策広報課
 東京都品川区大崎4-2-16
 TEL: 03-3492-5250
 FAX: 03-5487-3340
 E-mail: ppi@ris.ac.jp
 URL: http://www.ris.ac.jp/