工学院大学

東日本大震災復興支援シリーズ第2弾「いま、私たちにできること -ニーズとシーズをつなぐ-」開催報告――工学院大学

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工学院大学は9月17日、新宿キャンパスにて創立125周年記念講演会の東日本大震災復興支援シリーズ第2弾「いま、私たちにできること~ニーズとシーズをつなぐ~」と題した講演会を開催。約150名の参加があった。

 今回の講演会は、5月21日(土)に工学院大学にて開催された被災地活動報告会に続くものとして、同大が震災の復興に向け展開してきた調査活動や復興支援などの活動の中から、「被災地の復興はいま」をテーマに3つの地域活動に関する対談形式で開催。
 石巻市・釜石市・気仙沼市から、現場で復興活動に携わっている地元住民6名をゲストに迎え、同大教員との対談を通して、現地での復旧や復興における自らの体験談を語っていただいた。また、被災住民の復興に対する真摯な思いを直接理解するために活動展示コーナーも設けられた。その震災直後の生生しい被害の実態、各立場における復興活動に向けた活動と強い決意を込めた生の声は、多くの参加者の共感を呼ぶこととなった。
 
 最初の対談では、まちづくり学科の遠藤准教授より釜石市の復興支援計画づくりについての説明が行われた後、釜石市からのゲストとして、川崎 俊之氏(釜石市役所職員)と岩崎 昭子氏(宝来館 女将)が登場。川崎氏は釜石市職員として、市民のために取り組んでいる復興活動を紹介した。また地元旅館「宝来館」の 女将である岩崎氏からは、地元を愛して営んできた観光業の復活に向けた活動を自らが描いたイラストなどを用いながらの報告があり、遠藤准教授ら支援グループの活動を高く評価するとともに、今後も継続的な支援を期待することを熱く語った。

 次の対談では、建築デザイン学科の後藤治教授が恒久復興住宅の建設に向けた支援活動と最新状況を紹介。現地からは、石巻市の建設業を代表して熊谷 秋雄氏(熊谷産業)、熊谷 喜彦氏(芽ぐみ)が登場された。熊谷秋雄氏は、震災後一か月でいち早く自社の復興宣言を行い事業の再生に取り組んできた様子や、貴重な萱葺き屋根の旧家の再生、行政に対する課題などを語られ、また、熊谷 喜彦氏からは、被災直後の甚大な被害の様子や、地元の建設業として復興支援への要望を熱く語った。

 最後の対談では、まちづくり学科の村上准教授が、気仙沼市の避難所への学生ボランティアの派遣や「あなたの思い出まもり隊プロジェクト」などの支援活動を報告。気仙沼市からは、市議会議員の守屋守武氏と、地場産業を代表して石渡久師氏(石渡商店)に登場いただいた。守屋氏は、被災地の市議会議員として、復旧・復興活動を積極的にリードされており、気仙沼復興協会の設立や復興屋台村プロジェクトの推進などの活動などを紹介した。そして、石渡氏からは、被災地応援ファンドへ参加や「気仙沼ふかひれブランドを守る会」結成などによる、危機的な被害を受けた地場産業を復活に向けた取り組みの報告があった。

 最後に行われた交流会では、対談で登場した教員を中心に、復興支援に取り組む方針や展望が語られ、ゲストの方々や会場のセミナー参加者からも活発な質疑応答が行われた。
 今回の講演会は、被災地で求められている真のニーズを知り、被災地のニーズと私たちのシーズをつなぐ場となる有意義な講演会となった。


●講演会概要
学校法人工学院大学 創立125周年記念講演会
東日本大震災復興支援シリーズ第2弾 「いま、私たちにできること ~ニーズとシーズをつなぐ~」
・日時:2011年9月17日(土)14:00-17:00
・場所:工学院大学新宿キャンパス高層棟5階A0542室

プログラム
【内 容】<敬称略>
コーディネーター 野澤 康(工学院大学建築学部まちづくり学科教授) 
1)開会挨拶: 長澤 泰(工学院大学副学長・建築学部長)       
2)対 談 :「被災地の復興はいま」(各30分)                                   
◇釜石市より…復興計画づくりの支援
 川崎 俊之(釜石市 災害対策本部災害復興推進室 主査),岩崎 昭子(宝来館 女将)
×遠藤 新 (建築学部まちづくり学科 准教授
◇石巻市より…仮設住宅に替わる恒久復興住宅の建設
 熊谷 秋雄(有限会社熊谷産業 代表取締役),熊谷 喜彦(株式会社芽ぐみ)
×後藤 治 (建築学部建築デザイン学科 教授)
◇気仙沼市より…現地のニーズに応えるボランティア活動や産業復興プロジェクト
 守屋 守武(気仙沼市議会議員),石渡 久師(株式会社石渡商店 専務取締役)
×村上 正浩(建築学部まちづくり学科 准教授)
3)休憩&展示室の見学
4)交流会 :「私たちにできること」
5)閉会挨拶: 木村 雄二(学園創立125周年記念事業担当常務理事)

【主 催】工学院大学
【後 援】釜石市、気仙沼ふかひれブランドを守る会、工学院大学後援会、社会貢献学会、新宿区、日本赤十字社東京都支部、八王子市、被災地の子どもを支援する神奈川市民の会[五十音順]

▼本件に関する問い合わせ先      
 学校法人工学院大学  総合企画室   
 TEL: 03-3340-1498   

●東日本大震災震災復興に関する工学院大学の取り組み
 http://www.kogakuin.ac.jp/homepage/2011/0311/ptorikumi.html  

2493 会場の様子

2494 釜石市の方々との対談

2496 石巻市の方々との対談

2495 気仙沼市の方々との対談