立正大学

立正大学が11月26日に、ALS患者・舩後靖彦氏と主治医・今井尚志氏のジョイント講演会「難病を生きる」を開催

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立正大学では11月26日(土)に、ALS患者の舩後靖彦氏を講師に招き、公開講座を開催する。4回目を迎える今年は、舩後氏にALSを告知した専門医・今井尚志氏とのジョイント講演会が実現。舩後氏からは「主治医」というタイトルで今井氏への思いを語り、今井氏はこれに応えて「自律したALS患者舩後靖彦誕生秘話」を語る。参加費無料、事前予約不要。

 立正大学では平成20年から毎年、ALS(筋萎縮側索硬化症 ※1)患者である舩後靖彦氏を大学に招き、ネットワークを介した公開講演会を行っている。舩後氏は呼吸器を装着して、全身麻痺であるにもかかわらずパソコンを操作し、自作詩の発表コンサートや講演、メールによるピアサポート、学生への教育活動を展開している。

 舩後氏のこのような重い進行性難病でありながらも自律した創造的な生き方は、ALSを舩後氏に告知した主治医・今井尚志氏との出会いが深く関係しているという。4回目を迎える今年の講演会は、舩後氏と今井氏とのジョイント講演会「難病を生きる」が実現。講演会の第1部では、舩後氏が「主治医」というタイトルで今井氏への思いを語り、今井氏はこれに応えて、「自律したALS患者舩後靖彦誕生秘話」を語る。

 第2部では「知られざる子どもの難病MLD(※2)を童話で知る」と題し、舩後氏の活動の一つである難病の子供達のための活動を「絵本の読み聞かせ」という形で紹介する。
 今年の11月に施設を出て独居生活を始める舩後氏は、世に少数の異染性白質ジストロフィーや副腎白質ジストロフィーなどの子どもの難病を「読み聞かせ(旧称:口演童話)」の手法を用いて社会に認知させる活動を、畢生の仕事の柱として行う予定である。舩後氏は、読み聞かせによりその病気の存在を知り得た人々の力が、厚生労働省を通じて治癒の研究を各医療機関に依頼することにつながることで、いつの日か治癒への道が拓かれると信じている。

 立正大学における舩後氏の講演は今年で4年目になるが、関西のALS患者宅や他大学研究者など複数個所にもインターネットを介して毎回同時中継している。この方法は、遠隔地と質疑応答を行えるだけでなく、カンファレンス形式で複数の患者の方との対話も可能となっている。舩後氏の生き方に感銘した学生らや、関西のALS患者からの反響も大きく、同大では今後も公開講演会を継続して開催していきたいとしている。

◆講演実施詳細
【日時】
 2011年11月26日(土)
【会場】
 立正大学 11号館 1151教室
 (東京都品川区大崎4-2-16)
【プログラム】
 ●はじめに 12:30~12:40
   舩後氏の教育活動紹介 立正大学文学部准教授 田坂さつき(ビデオ・写真等使用)
 ●第1部 
  ・12:40~12:55 「主治医」
   湘南工科大学テクニカルアドバイザー ALS協会千葉支部会員(患者) 舩後靖彦
  ・12:55~13:20 「自律したALS患者舩後靖彦誕生秘話」
   国立病院機構宮城病院診療部長 今井尚志
  ・13:20~13:30 全身麻痺ALS患者 舩後氏のギター演奏ビデオ放映(立正大学文学部公開講座にて収録)
 ●第2部
  ・13:30~14:10 「知られざる子どもの難病MLDを童話で知る」
   舩後靖彦 舩後シスターズ
  ・14:10~14:30 質疑応答・遠隔通信・対面交流
   終了後、懇談の時間を予定。
【参加費など】
 無料、事前予約不要。会場に直接お越しください。
【問い合わせ先】
 E-mail: itpsl@ris.ac.jp

【講演者略歴】
 ◯舩後靖彦(ふなご・やすひこ)
 昭和32年生まれ。千葉市立稲毛第二小学校、千葉市立稲毛中学校、千葉県立千葉南高校卒業。平成11年、41歳でALS(筋萎縮側索硬化症)を発病。麻痺が全身に及ぶ。額の皺や口を使ってコンピュータを操作し、自作詩の発表や、ファミリーライブコンサート、大学等での講演、メールによるピアサポートなどを展開。平成20年から平成22年には、湘南工科大学非常勤助手として、障害や病を抱える人々のためのものづくり指導を行う。平成23年以降は、同大テクニカルアドバイザーとして、引き続き学生の指導にあたる。日本ALS協会千葉県支部役員(患者)。著書に『しあわせの王様』(小学館)。

 ◯今井尚志(いまい・たかし)
 昭和57年、富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。千葉大学医学部神経内科入局後、国立療養所千葉東病院神内科医員、国立療養所西多賀病院神経内科医長を経て、平成17年より独立行政法人国立病院機構宮城病院診療部長(神経内科)、現在に至る。平成18年には、独立行政法人国立病院機構宮城病院ALSケアセンターを開設。
 研究としては、平成12年度・13年度 厚生科学研究 特定疾患対策研究事業「筋萎縮性側索硬化症の病態の診療指針作成に関する研究」主任研究者。平成17年度~平成22年度厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究」研究代表者など。
 現在、被災地の宮城でALS患者をはじめとした多くの病者の治療にあたっている。

※1 筋萎縮側索硬化症:Amyotrophic Lateral Sclerosis、通称ALS。筋肉が急激に萎縮する神経系の疾患。有効な治療法は見つかっておらず、発症から約半数が3~5年の内に呼吸筋マヒで死亡する難病。
※2 MLD:MLD(Metachromatic Leukodystoropy)は一般に、DNAの異常による先天性代謝異常症の一つとされている。細胞中のリソソームに存在する酵素であるアリルスルファターゼA(ASA)の欠損により、脳白質内などにスルファチドという物質が蓄積され、これが神経細胞を包んでいる髄鞘を構成するミエリンという物質を破壊し、脳障害を引き起こす。

■立正大学(りっしょうだいがく)
 ・学長:山崎和海(やまざき かずみ)
 ・2012年に開校140年を迎える。8学部15学科、7研究科、9研究機関の総合大学。
 ・大崎キャンパス: 東京都品川区大崎4-2-16
           仏教学部/文学部/経済学部/経営学部/心理学部
           文学研究科/経済研究科/経営研究科/心理学研究科
 ・熊谷キャンパス:埼玉県熊谷市万吉1700
          法学部/社会福祉学部/地球環境科学部
          法学研究科/社会福祉学研究科/地球環境科学研究科
 ・2012年4月、社会福祉学部人間福祉学科は「子ども教育福祉学科」へ学科名を変更予定。
 ・同年4月、大学院心理学研究科に「対人・社会心理学専攻」設置予定。

▼本件に関する問い合わせ先
 立正大学 学長室政策広報課
 東京都品川区大崎4-2-16
 TEL: 03-3492-5250
 FAX: 03-5487-3340
 E-mail: ppi@ris.ac.jp
 URL: http://www.ris.ac.jp/