法政大学

法政大学初の自校教育科目「法政学への招待」――総長自ら講義するほか卒業生のゲスト講演も

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法政大学では、2011年度から市ケ谷キャンパスにおいて自校教育科目「法政学への招待」を開講している。法政大学の歴史について社会的背景を交えて学ぶことで、建学以来同大が培ってきた「自由と進歩」の精神を改めて学ぶ科目となっている。同大の歴史をたどりながら、総長自らの講義、校歌の解題や歌唱指導、卒業生のゲスト講演などを交え、バラエティに富んだ内容となっている。

 法政大学では、教育力の強化と教育の質保証を実現するため、2008年に「明日の法政を創る」審議会を設置。「学士力」向上のために学部教育の充実を目指し、リベラルアーツ科目(総合教養科目)の内容を改めて見直す中で、在学生に同大で学ぶことの意義を考えることで自己肯定感を涵養する機会を提供したいという意図をもって自校教育の開講準備を行ってきた。

 最高教育機関である大学として同大が社会とどう関わってきたかを通して日本の近現代史を読み直すことで、“生きた歴史”を学ぶという趣意のカリキュラムとなっている。自由民権運動期の開学、大正教養主義を背景とする予科・法文学部の隆盛、戦後復興期に同大が目指したものなど、社会的背景とともに大学史を講じてきた。特に「戦前・戦中の法政大学」の回では、特攻隊0号隊員となった同大卒業生「久納好孚」の経験を通し、戦争の実像を浮かびあがらせる構成で、受講生が固唾をのんで授業に聞き入る光景があちこちで見られた。

 また、学生の興味に応えると同時に、複数の方向からスポットライトを当てることで同大の姿を多元的にとらえてもらう狙いから、同大卒業生で、全国最年少市長となった鈴木直道夕張市長による講演や、江戸文化研究で著名な田中優子社会学部教授による講義、同大の特色ある附属研究機関の概要や業績、スポーツでの活躍・実績などについても紹介。また、校歌の成立背景や歌詞の解説、応援団による歌唱指導なども行った。

 授業の運営にあたっては、教員・学生による双方向型授業の実現を追求した。毎回の講義の最後に、その日の授業内容をクイズ形式で出題し、受講生は手元のクリッカー(電子機器)で回答。その結果はPCで集計されてスクリーンに投影されるため、受講生の理解度が即座にわかる。終了前には受講生にその回の感想や質問を記入したリアクションペーパーを提出してもらい、それをふまえた“ふりかえり”が次回講義冒頭で行われるなど、講義形式ながらも学生参加の方策に工夫が凝らされている。

 最終回では、「大学と自分たちの未来を考える」と題し、この講義を通して考えてきた法政大学の「自由と進歩」の精神をふまえ、「これから10年のうちに法政大学に実現してほしいこと」についてグループで討論。2グループずつの対戦によって選ばれた10グループが増田壽男総長を前に各3分間で各々の提案についてプレゼンテーションを行った。

 次年度については、受講生のリアクションペーパーも参考にしつつ、学生の主体的な学びをさらに引き出す方向で講義内容や講義担当者などを検討している。

▼本件に関する問い合わせ先
 法政大学 広報・広聴課 担当:吉田
 TEL: 03-3264-9240
 E-mail: koho@hosei.ac.jp