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立命館大学スポーツ健康科学部の吉岡伸輔助教が、世界で初めて「筋力余裕度計」の開発に成功――高齢者の筋力を可視化し、効果的なトレーニングで寝たきりを防ぐ

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立命館大学スポーツ健康科学部の吉岡伸輔助教は、日常生活に最低限必要な筋力に対して、どれほど筋力の余裕があるかを測定できる「筋力余裕度計」を開発した。

 人間の筋力は加齢とともに低下する。筋力の低下は移動能力の低下を引き起こし、最終的に要介護状態を招くことさえある。超高齢化社会を迎えた日本において、高齢者が活き活きとした生活を生涯送り続けるためには、自身の筋力状態を日々チェックし、筋力が低下しないよう定期的に筋力トレーニングを行うことが求められる。一方、これまでは家庭で容易に筋力を測れるコンパクトかつ高精度の測定器はなかった。

 この研究では、椅子立ち上がり動作に必要な筋力を力学的な理論をもとに数値化し、筋力余裕度(各個人の筋力が、日常生活に最低限必要な筋力に対してどの程度余裕があるのか)として世界で初めて示すことができた。開発した測定器「筋力余裕度計」は、一度、中腰の状態から立ち上がる動作を行うだけで測定可能なため、体力が低下した高齢者でも簡単に測定することができる。今後、測定器は各家庭で購入できるよう1万円を切る価格で市販化することを予定している。

 「筋力余裕度計」の市販化により、家庭にある体組成計と同じような感覚で、手軽に筋力を測定できるようになり、筋力状態に合わせた効果的なトレーニングにつなげることができる。また、病院でのリハビリや、スポーツ分野などでの応用も期待される。


▼本件に関する問い合わせ先
 立命館大学広報課
 TEL: 075-813-8300
 立命館大学リサーチオフィスBKC
 TEL: 077-561-2802