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立命館大学グローバル・イノベーション研究機構の柏山博士研究員と薬学部の民秋教授の研究グループが、水中の微生物がクロロフィル(葉緑素)の光毒性をなくす仕組みを発見

大学ニュース  /  先端研究

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立命館大学グローバル・イノベーション研究機構の柏山祐一郎博士研究員と薬学部の民秋均教授の研究グループは、藻類を食べる「プロティスト」と呼ばれる水中の微生物が、クロロフィルの「光により有害な活性酸素を発生させる能力」をどのようになくしているのかという、これまで全く知られていなかった自然界の基本的な仕組みを、世界で初めて解明した。

 地球温暖化の原因とも考えられている二酸化炭素は、海洋や湖沼に棲む微細な藻類たちの光合成によって有機物に転換されている。クロロフィルはその光合成に必須の有機分子だが、光を受けることで生物にとっては猛毒の活性酸素を生み出すという負の側面をもっている。
 この研究は、プロティストがクロロフィルをどのように無害な物質に変化させ「安全に」藻類を消化しているかを解明した。さらに、微細な藻類を食べる生き物として、プロティストが生態系の基本的で重要な構成要素であることが分かった。これらの成果により今後、多くの謎が存在する「地球温暖化や環境汚染の海洋や湖沼の生態系への影響」や「生態系の進化過程」の解明に大きく前進することが期待される。

 なお同研究は、筑波大学・生命環境系の横山亜紀子助教の研究グループを始めとして、京都大学、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、三重大学、独立行政法人海洋研究開発機構、筑波大学・数理物質系/物質工学系との共同研究である。


 研究内容の詳細はPDFを参照。


▼本件に関する問い合わせ先
 立命館大学大学院生命科学研究科(薬学部薬学科) 生物有機化学研究室
 研究室 HP: http://www.ritsumei.ac.jp/se/rc/staff/tamiaki/lab.html
 立命館大学広報課 
 TEL: 075-813-8300