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立命館大学薬学部・民秋均教授と塚谷祐介客員研究員の研究グループが、赤外光線を吸収するクロロフィル(葉緑素)を光合成生物が生産する仕組みを発見

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立命館大学薬学部の民秋均教授と総合科学技術研究機構の塚谷祐介客員研究員の研究グループは、人間の目では確認できない光である赤外光線を唯一吸収できるクロロフィル(葉緑素)を光合成生物が生産する仕組みを、世界で初めて発見した。

 今回研究対象のクロロフィルは、細菌型の葉緑素の一つでバクテリオクロロフィルbと呼ばれており、光合成生物がどのようにこれを生産していたのかはこれまで謎に包まれていた。本研究では、光合成生物がクロロフィル分子の構造をどのようにして変化させて、バクテリオクロロフィルbを合成するかを解明している。
 
 太陽光のうち赤外光線は、可視光領域よりも長い波長の光で人間の目には見えないことから、産業的には防犯センサー等に利用されている。一方で工業的にはほとんど利用されておらず、既存の太陽電池システムでは主に可視光線だけが利用されている。より効率的なエネルギー変換を行うために赤外光線の太陽電池システムへの利用の検討がされているが、今回の研究成果によってその道筋ができ、今後の太陽電池や人工光合成システムの効率化や低コスト化へ繋がることが期待されている。なお、本研究は名古屋大学と久留米大学との共同研究である。

 今回の研究成果は、2月5日のScientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ*)に掲載されている(*英国科学誌ネイチャーの姉妹誌で、学際的電子ジャーナル)。

・論文はこちら
http://www.nature.com/srep/2013/130205/srep01217/full/srep01217.html


▼本件に関する問い合わせ先
 立命館大学大学院生命科学研究科(薬学部薬学科) 生物有機化学研究室
 研究室HP: http://www.ritsumei.ac.jp/se/rc/staff/tamiaki/lab.html
 立命館大学広報課 
 TEL: 075-813-8300