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立命館大学と守山市が共同で「琵琶湖の水草堆肥化事業」をスタート~厄介者の水草を堆肥化し、有機農法に活用~

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立命館大学と守山市は、琵琶湖で大量に繁殖し問題になっている水草を、良質な堆肥に変え、地域農産物の有機栽培に活用する「琵琶湖の水草堆肥化事業(※)」を8月22日にスタートさせた。

 政府のTPPの交渉参加に伴い、関税撤廃による農業分野への影響が懸念される中、海外とたたかえる強い日本の農業の在り方を考え、政策として実行していくことが重要となっている。

 「琵琶湖の水草堆肥化事業」は、これまで捨てるか焼却するしか手立てのなかった未利用の水草を堆肥化させ、その堆肥で野菜や農産物を有機栽培し、「有機グラスベジタブル(仮称)」として商品ブランド化して、守山市内の伝統野菜の生産拡大や食料自給率の向上を目指す取り組みである。

 具体的には、守山市が琵琶湖の水草(オオカナダモ等複数種)を除去した後、ガラス温室で2~3ヶ月保管し、乾燥発酵させる。この間、立命館大学の久保幹・生命科学部教授が微生物に基づく土壌肥沃度診断(SOFIX)の技法を水草に応用し、成分分析や植物工場での実験栽培を行い、良質な堆肥にするための最適な方法を研究する。その後、守山市内の実際の圃場において水草堆肥を使って野菜を栽培し、味覚や収穫量、成分を慣行栽培と比較を行い、2013年度内の実用化を目指す。実用化の際には、水草堆肥で栽培した農産物のブランド力構築の可能性、学校給食や病院食および健康食への活用の可能性、6次産業化としての事業展開の可能性などを検討していく。

※「琵琶湖の水草堆肥化事業」は、守山市を中心に産官学の連携で進める「もりやま食のまちづくりプロジェクト」の一環として行うものである。なお、内閣府の「平成25年度 特定地域再生事業」の採択を受け、その補助金を活用して実施する。

▼本件に関する問い合わせ先
 立命館大学リサーチオフィスBKC
  TEL: 077-561-2802
 立命館大学広報課
  TEL: 075-813-8300

4524 堆肥化する外来種の水草を持つ久保幹教授(左)と守山市都市活性化局の松永之和局長(右)