立命館大学

LED照明とスマホカメラの連携による盗撮防止システムを開発 ~駅や電車などの公共空間を制御し、スマホ等による盗撮被害を防ぐ~立命館大学

大学ニュース  /  先端研究

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立命館大学理工学部電子情報工学科の熊木武志・講師の研究グループはこのたび、LED照明とスマートフォン(以下、スマホ)のカメラの連携による盗撮防止システムのプロトタイプを開発した。

 現在、盗撮事件の6割以上がカメラ付き携帯やスマホによるものであり、スマホの普及に伴い、更にその割合と数は増加傾向にある。また、近い将来にはウェアラブル端末の普及により、カメラを用いた犯罪行為はますます巧妙、かつ増加の一途をたどるものと予想される。
 これまで加害者による盗撮行為を制限するための手法としては、撮影時にシャッター音を鳴らす、端末の角度を検知して撮影できなくする、撮影禁止区域では撮影防止シールをレンズに貼る等があったが、どれも携帯端末単体での制御となり、直接的な対策には至っていない。

 本技術は、プライバシーを保護したい空間内で送信機(LED照明)と受信機(スマホ)の信号のやり取りを行い、カメラ撮影を制御するシステムである。具体的には、LED照明から発する光の照度の強弱を人に感知できない程度に変化させ、信号(照度)パターンを生成・送信する。そして、スマホのカメラが可視光を受信した際に信号(照度)パターンを、スマホ内のアプリを用いて画素値を基に自動処理することで瞬時にパターンを識別してカメラ機能を停止させるという仕組みである。

 本システムのLED照明を駅などの公共空間に導入し、専用のアプリをスマホ等の携帯端末に内蔵することにより、一定の空間内に人が入ると、携帯端末のカメラ機能を使えないようにすることが可能となる。可視光を利用して一定空間内での盗撮を防止するというシステムの研究開発は、世界でも初の試みである。また、本技術を応用することで、カメラ撮影だけでなく、その他の電源や音など様々な処理を制限することも可能となる。

 本研究成果は、2014年5月に開催された電子情報通信学会のワークショップでIEEE SSCS Kansai Chapter Academic Research Awardを受賞し、2014年8月22日(金)には京都産学公連携機構主催の第4回未来技術交流会にて基調講演を行った。なお、2014年9月19日(金)には、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が主催する新技術説明会にて研究発表を行う予定である。

■LEDからの信号を感知した際に警告が出てスマホのカメラ機能が使えなくなるデモ動画はこちら→
 http://youtu.be/pzY1HrjlwSE

▼本件に関する問い合わせ先
 立命館大学リサーチオフィスBKC
 TEL: 077-561-2802
 立命館大学広報課
 TEL: 075-813-8300

5878 盗撮防止システム(LED照明とスマホ)と開発した熊木講師

5879 LED照明からの信号を感知した際にスマホおよびタブレット端末に表示される警告画面