立命館大学

インドネシアのユドヨノ大統領に名誉博士号を贈呈――立命館大学

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9月29日、立命館大学はインドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領に名誉博士号を贈呈した。ユドヨノ氏は2004年10月に初めての国民による直接選挙により大統領に就任し、スマトラ沖大地震・インド洋大津波とその後も続いた大地震による甚大な被害からの復興や2005年のアチェ地域の和平・復興、通貨危機の克服など、インドネシアの民主化と経済成長を導き、社会全体の安定と発展に尽力。立命館大学ではこれらの取り組みを、ASEANとアジアだけでなく、人類の平和と民主主義の進展に対する功績として捉え、名誉博士号の贈呈を決定した。

 10月20日で任期を終える大統領。京都が最後に訪れた海外の都市となった。立命館朱雀キャンパスで執り行われた贈呈式では、川口清史学長から「学位記」と「懸章」が大統領に手渡され、堅く握手を交わし、約400名の来場者から大きな拍手が送られた。

 式の冒頭では川口学長が「21世紀はアジアの時代だ。これからの若者たちには大統領に続く人材として、アジアの未来を牽引していける素養を身につけ、多文化協働できる人材として、日本とインドネシアの更なる発展に貢献してほしいと思う。そのためにも私たちは、学生に多様な学びの環境やコミュニティを準備し、様々にサポートしていくことを約束する」と挨拶。
 
 ユドヨノ大統領は30分にわたるスピーチで、「民主主義と経済成長の両立」「民主主義とイスラム教の共存」「ナショナリズムとインターナショナリズム」の3つのテーマに触れ、「この10年間の間にインドネシアの民主主義と経済は強く発展した。民主主義と経済は二者択一なものではなく相互に発展できるものであることを実証することができた」「インドネシアの民主主義は国内生まれ草の根で広まった。反省と改善は必要だが、今後も継続していく」と述べた。

 また、スマトラ沖地震の際に日本が実施した支援活動に謝意を述べ、東日本大震災の復興について、気仙沼で活動するインドネシア人看護師や実際に自身が東北で会った、復興に取り組む人々の様子に感動したエピソードを披露。

 最後に、日本との関係について「日本は重要な国際パートナー国のひとつ。両国の人と人との接触を通じて互いの国は繋がっている。特に教育は大事だ。私は多くのインドネシアの若者が立命館大学、立命館アジア太平洋大学で学んでいることを嬉しく思う。彼らが両国の関係強化に貢献してくれることを願っている」と未来への希望を語った。

※立命館大学と立命館アジア太平洋大学(APU)では300人のインドネシア人正規留学生が学んでおり(立命館大学39人、APU261人)、その数は日本で学ぶインドネシア人留学生約2,300人の1割以上にのぼる。

5994 400名の来場者を前にスピーチをするユドヨノ大統領

5995 川口清史学長から学位記と懸章を贈呈

5996 立命館大学、立命館アジア太平洋大学で学ぶ留学生らがお出迎え

5997 民族楽器「ガムラン」の演奏を鑑賞

5998 演奏、舞踊に拍手を送る大統領一行