東京工科大学

国内大学初、反転授業にJMOOC講座を活用 アクティブラーニングの推進・高度化へ新たな試み 10月からコンピュータサイエンス学部約400名が受講 ――東京工科大学

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東京工科大学(東京都八王寺市片倉町、学長 軽部征夫)は、国内大学初の試みとして、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(以下、JMOOC※1)の大規模公開オンライン講座を教材として取り入れた反転授業を実施する。

 JMOOCは、若者からシニアまで学ぶ意欲のある人が誰でも無料で有名教授などの講義を受講できる公開オンライン講座MOOC(ムーク)の日本版として今年2月にサービスを開始。すでに7万人以上の受講者を集めている。これを大学の授業に導入・活用するのは、今回が国内初となる。

 本授業は、コンピュータサイエンス学部2年次後期の「インターネット」科目※2の中で行われ、インターネット研究の国内第一人者である村井純慶應義塾大学教授のJMOOC講座(講座名:インターネット)を教材として採用する。学生たちは、JMOOC公認の大規模公開オンライン講座提供サイト「gacco(ガッコ)」を利用して自分のペースで事前学習(予習)を行い、教室ではディスカッション等の主体的かつ発展的な授業によって学習効果を高める、「反転授業」と呼ばれる今注目の学びのスタイルを実践する。2クラス約400名の受講を見込んでおり、修了条件(同講座では得点率7割以上)を満たした学生は、大学の単位とは別に「gacco」の履修修了証も取得できる。

 今回採用する村井教授の講座は、今年度「gacco」で開講され受講登録者約1万8千名、受講者の満足度97%という極めて人気の高いコンテンツであることが実証されている。このような優れた教材を、東京工科大学が積極的に推進する「アクティブラーニング」に採用することで、学生たちの主体的な学習に良い効果をもたらすことが強く期待される。また、今回の取り組みを通して得られる実績に基づき、他の科目への積極的な発展・応用を検討すると共に、今後の教育界の発展的な在り方を模索する上でも意義のある試みと捉えている。

 MOOC発祥の米国では、州立大学を中心に他大学の講座を大学授業に採り入れる動きが広がっており、サンノゼ州立大学では、MOOC講座による反転授業を導入したことで、単位の取得率が59%から91%に大幅に向上したという事例も報告されている。また、MOOCで優秀な成績を修めることでキャリアアップや就職などにつながるケースもある。

 反転学習を研究している東京大学大学院情報学環・山内祐平准教授は、MOOC講座の反転授業への活用について次のようにコメントしている。「反転学習は、完全習得学習や高次能力を育成する学習を実現するために有効な方法だが、質の高い自宅学習教材を制作することに難しさを感じている教員も多かった。JMOOCコースが利用できるようになると、大学や高校での反転授業の普及にはずみがつくだろう」

※1 MOOCはMassive Open Online Coursesの略。誰もが無料で参加可能な、大規模かつオープンな講義をWeb上で提供し、修了者には修了証を発行する教育サービス。2012年より米国を中心に、主要大学および有名教授によるオープンオンライン講座として公開され、世界中で1000万人以上が受講している。日本版のMOOC「gacco」は、NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが共同で推進している。

※2 JMOOCを活用した反転授業は、「インターネット」科目の中で2014年11月3日(月)に最初に実施する予定で、2015年1月にかけて計5回程度行う計画である。

▼本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
 東京工科大学(片柳学園) 出版部
 担当: 山岸/内田
 TEL:03-3732-1154
 E-mail: tyama(at)stf.tau.ac.jp
※(at)は@に置き換えてください。