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~ゲリラ豪雨から地下街を守る~ 最新のICTを活用したG空間地下街防災システムを構築 --立命館大学--

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西尾信彦(立命館大学情報理工学部・教授)が代表をつとめるG空間システムコンソーシアム(※)は地下空間の屋内測位技術とセンシング技術により、防災センターでの災害時行動計画を支援する「G空間地下街防災システム」を構築し、このほど、梅田地区の地下空間におけるゲリラ豪雨時の浸水対策として「梅田地区地下空間防災対策検討会」に採用され、このほど本稼動が開始されました。

 近年、国内大都市部の地下街では、様々な都市災害への対策が課題となっています。大阪では南海トラフ地震による津波や局地的な集中豪雨などにより、地下空間への浸水リスクが高まっています。特に大阪駅・梅田駅周辺地区には、JRや私鉄、地下鉄で7つの駅で一日あたり約250万人が利用しており、災害発生時には施設管理者の対応、施設利用者の避難などが迅速に実施される必要があります。地下空間は、接続する複数の鉄道会社や施設によって管理されており、災害時にはそれぞれの管理者の連携が求められています。

 本システムは浸水時の被害シミュレーションを実施した結果を活用し、地上ビル等に雨量計とIPカメラを設置し、ICTを活用した防災システムです。降雨状況を監視しつつ、その状況に対応した警戒レベルを認識し止水板設置、避難誘導等の災害時行動の指示(タイムライン)を生成します。これらのタイムラインやIPカメラ映像、降雨量などのリアルタイムの災害状況を提示するアプリを各施設の防災センターに設置したタブレットで稼動し、各施設管理者同士がリアルタイムに同一の情報を共有して災害時行動の連携を実現します。さらに本システムには避難誘導要員、止水板設置要員らが携行するスマートフォンの専用アプリでも使用でき、集約された情報と各要員の位置情報を共有することも可能です。

(※)G空間システムコンソーシアム構成員:立命館大学、クウジット株式会社、メタプロトコル株式会社、中央復建コンサルタンツ株式会社、株式会社インフラレッド


▼本件に関する問い合わせ先

立命館大学広報課

池田

TEL

: 075-813-8300

180914_1.jpg 図1 施設間連携のイメージ

180914_2.png 図2 IPカメラ情報の表示イメージ

180914_3.png 図3 雨量計の表示イメージ