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　京都産業大学では、4月20日に日本文化研究所特別客員研究員による研究成果発表会を開催し、山口美乃特別客員研究員が、鎌倉時代に活躍した女性歌人「阿仏尼」について、近代女子教育の教科書の変遷から読み解いた持論を、市民や元研究員ら約60人を前に発表した。

　京都産業大学では、京都の活性化のために広く研究の場を提供するため、京都商工会議所と協力し、2006年から毎年、京都・観光文化検定試験（京都検定）1級合格者を特別客員研究員として迎えている。研究員は、約1年間、教員から助言を受けながら、京都の文化・歴史などについて研究を進める。

　今回発表を行った山口特別客員研究員は、時代祭に登場する「阿仏尼」をテーマに研究。発表では、阿仏尼が、娘である阿仏女に送った書簡『乳母の文』が高等女学校の教科書に採り入れられた時期と、近代女子教育における「良妻賢母教育」の全盛期が一致しており、『乳母の文』が「阿仏尼＝良妻賢母」というイメージ形成に大きく寄与したことがわかると説明した。『乳母の文』は、母から結婚する娘への餞の書であり、現代女性の共感を得やすく、阿仏尼、乳母の文は、今後注目される人物、作品ではないかと話した。

　京都産業大学日本文化研究所は1995年に設立し、今年で設立25年目を迎えた。京都が培ってきた日本文化の特質を明らかにするために、国際交流を中心として学際的な研究を行っている。

むすんで、うみだす。　　上賀茂・神山　京都産業大学

（関連リンク）
・京都産業大学　日本文化研究所
　http://www.kyoto-su.ac.jp/collaboration/nihonbunka/