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学習院大学が8月13日(土)に講演会「氾濫する性風俗言説・表象をどう読み解くか」をオンラインで開催

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学習院大学(東京都豊島区)は2022年8月13日(土)に学習院大学身体表象文化学会2022年度第3回例会として、神戸大学国際文化学研究科教授の青山薫氏(社会学、ジェンダー/セクシュアリティ研究)をお招きし講演会「氾濫する性風俗言説・表象をどう読み解くか」を開催します。要事前申し込み、参加無料。(学習院大学身体表象文化学会主催)

 2000年代以降、当事者・非当事者を問わず、性風俗に関するエッセイやルポルタージュが多数出版されるようになりました。デリバリーヘルスを舞台にしたマンガ『フルーツ宅配便』がTVドラマ化され、第45回放送文化基金賞奨励賞を受賞したように、単なる性的な好奇心を超えたレベルで、性風俗産業に従事する当事者(セックスワーカー)に対する社会的関心は高まりを見せているといえるでしょう。とりわけ近年では、SNSなどにおいてワーカー当事者による言説が増加しており、その中にはセックスワーカーに付きまとうステレオタイプな思い込み(経済的困窮、望まぬ就労など)を覆すような表象も見られます。
 その一方で、ワーカーへの関心の高まりは、その動機(なぜそのような仕事を選んだのか)を安全な位置から垣間見たいという消費者の欲望と表裏一体です。悲惨な生い立ちや心身の苦しみ、あるいは性的・倫理的に逸脱した傾向といったワーカーの「特別な事情」こそが、商品としてのエッセイやルポルタージュに、ひいてはワーカーの自己表現にすら期待されていることは否めません。そしてその期待にまったく応えることなしに当事者たちが表現していると素朴に考えることは難しいでしょう。そうであるならば、言説の増加はもとより当事者による発信それ自体をどう捉えるべきでしょうか。それはワーカーに課せられたスティグマの克服に果たして繋がりうるのでしょうか。
 主体的に選択しうる労働と構造的に強いられた奴隷制という性風俗産業に対する二元論的な認識を超える見地を求めてフィールドワークを行ない、また実際にセックスワーカー支援活動にも携わる青山氏の目に、これら表象・言説の増加はどのように映るのでしょうか。氏の考えを伺い、セックスワーク表象の両義性を検討する機会にしたいと思います。
 本講座はオンライン(Zoom)で一般開講します。この機会にぜひご参加ください。

◆講演会   氾濫する性風俗言説・表象をどう読み解くか
【日  時】 2022年8月13日(土)14時00分~16時30分(予定)
【開催方法】 オンライン(Zoom)
【申込方法】 お申し込みはguscscvr1@gmail.comまでご連絡ください。
折り返しZoomのURLをご案内いたします。

<講師紹介>
青山薫(あおやま・かおる)
神戸大学国際文化学研究科教授。主著に、『「セックスワーカー」とは誰か』(大月書店、2007)、Thai Migrant Sex Workers: From Modernisation to Globalisation(Palgrave/Macmillan, 2009)がある。日本社会学会、British Sociological Association 会員。ピープルズ・プラン研究所、SWASH(Sex Work and Sexual Health)などで社会活動を行う。


<関連リンク>
学習院大学身体表象文化学会
https://www-cc.gakushuin.ac.jp/~guscscvr/

▼本件お問い合せ先
 学習院大学身体表象文化学会(担当:中里)
 TEL: 03-5992-1404 
 E-mail:  guscscvr1@gmail.com 

▼取材に関するお問い合わせ先
 学習院大学 学長室広報センター(担当:川崎)
 TEL: 03-5992-1008
 E-mail: koho-off@gakushuin.ac.jp