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戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)、芝浦工業大学(本部:東京都江東区、学長:山田 純)、ムネカタ インダストリアル マシナリー(株)(本社:福島県福島市、社長:永松 孝明)の3者は共同で、コンクリート打込み中の材料分離程度(粗骨材分布)をリアルタイムに評価する方法を開発しました(特許出願済み)。これまで熟練工の経験に頼る部分が大きかったコンクリートの施工に新たな品質管理方法を加え、高品質な施工を実現します。
1. 背景
コンクリートを型枠内に打ち込むときに、過密な鉄筋配置や横流しなどに起因して、粗骨材の局所的な集中やモルタルの先流れが生じる場合があります。また、近年は流動性を高めたコンクリートを使用する機会が増えていますが、配合が適切でないと過度な水の浮上がり(ブリーディング)や骨材の沈降などが生じる場合があります。これらの材料分離は、硬化コンクリートの局所的な強度特性や水密性や耐久性などの低下を引き起こします。しかしながら、打込み中の材料分離を評価する方法は確立されておらず、熟練技術者の経験を頼りに施工をしているのが現状です。
2. 材料分離の評価方法
本技術は、コンクリートの配合によってインピーダンス※1が変化することに着目し、様々な配合のインピーダンス測定結果をもとに、コンクリートの粗骨材などの構成材料の変化を評価します。測定機器(以下、センサ)として、戸田建設(株)とムネカタ インダストリアル マシナリー(株)の保有技術であるコンクリートの充填・締固めを検知する超薄型シート状センサ「ジュウテンミエルカ(R)」の充填検知機能を拡張して使用します。また、型枠や圧送管などに開孔を設けて外側から取り付けるセンサとして、弓形電極を装備した挿入式センサも新たに開発しました。これらのセンサラインナップで様々なコンクリート構造物での施工中の材料分離評価に対応します。なお、センサはインピーダンスに代えて、簡易的に電圧デジタル信号を出力します。
材料分離の評価結果は、下図の専用モニタで誰でも直感的に粗骨材の動きを認識できるように赤丸の上下動で表示します。粗骨材分布が所定通りの場合は赤丸がコンクリートのセル中央付近に位置します。粗骨材が少ない場合は赤丸が上部に移動し、粗骨材が沈降して多くなると赤丸が下部に移動します。あらかじめ設定した管理値に達したときに警告を発令します。このモニタリングをもとに現場では材料分離を未然に防ぐ対策を講じます。
※1 交流回路における電圧と電流の比をインピーダンスといいます。
※2 各種センサ形態や材料分離の評価結果の表示イメージなどは予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
3. 施工段階毎の材料分離評価
(1)打込み前
試験練り時に木製容器に取り付けたセンサを用いて電圧デジタル信号を測定します。次に、現場で荷卸し場所または圧送ホース吐出口において、同じセンサを用いて電圧デジタル信号を測定します。これらの測定結果を比較することで荷卸し場所または圧送ホース吐出口での材料分離程度を評価します。
(2)打込み時
型枠や鉄筋などにセンサを取り付け、コンクリート打込み中に電圧デジタル信号を連続測定します。電圧デジタル信号の変化を常時監視し、管理値に達したときに警告を発令します。
(3)圧送時(一部開発中)
圧送管にセンサを取り付け、コンクリート圧送中に電圧デジタル信号を連続測定します。電圧デジタル信号の変化を常時監視し、管理値に達したときに警告を発令します。
4. 今後の展開
[戸田建設(株)]
今後、当社の現場において本技術の適用を重ね、測定結果の信頼性確認や評価結果の表示方法の改善などを進めます。そして、コンクリート構造物の品質不具合を未然に防ぐ品質管理手法としての確立を目指します。
[芝浦工業大学土木工学科 伊代田岳史教授 コメント]
本技術は、今まで見えなかった型枠内のコンクリートを見える化し、材料分離の状況をリアルタイムに判断できるようにしたシステムです。これにより、密実に充填したコンクリートの構造物を提供できるようになり、国民の安全安心を確保できるようになることを期待します。
コンクリートを型枠内に打ち込むときに、過密な鉄筋配置や横流しなどに起因して、粗骨材の局所的な集中やモルタルの先流れが生じる場合があります。また、近年は流動性を高めたコンクリートを使用する機会が増えていますが、配合が適切でないと過度な水の浮上がり(ブリーディング)や骨材の沈降などが生じる場合があります。これらの材料分離は、硬化コンクリートの局所的な強度特性や水密性や耐久性などの低下を引き起こします。しかしながら、打込み中の材料分離を評価する方法は確立されておらず、熟練技術者の経験を頼りに施工をしているのが現状です。
2. 材料分離の評価方法
本技術は、コンクリートの配合によってインピーダンス※1が変化することに着目し、様々な配合のインピーダンス測定結果をもとに、コンクリートの粗骨材などの構成材料の変化を評価します。測定機器(以下、センサ)として、戸田建設(株)とムネカタ インダストリアル マシナリー(株)の保有技術であるコンクリートの充填・締固めを検知する超薄型シート状センサ「ジュウテンミエルカ(R)」の充填検知機能を拡張して使用します。また、型枠や圧送管などに開孔を設けて外側から取り付けるセンサとして、弓形電極を装備した挿入式センサも新たに開発しました。これらのセンサラインナップで様々なコンクリート構造物での施工中の材料分離評価に対応します。なお、センサはインピーダンスに代えて、簡易的に電圧デジタル信号を出力します。
材料分離の評価結果は、下図の専用モニタで誰でも直感的に粗骨材の動きを認識できるように赤丸の上下動で表示します。粗骨材分布が所定通りの場合は赤丸がコンクリートのセル中央付近に位置します。粗骨材が少ない場合は赤丸が上部に移動し、粗骨材が沈降して多くなると赤丸が下部に移動します。あらかじめ設定した管理値に達したときに警告を発令します。このモニタリングをもとに現場では材料分離を未然に防ぐ対策を講じます。
※1 交流回路における電圧と電流の比をインピーダンスといいます。
※2 各種センサ形態や材料分離の評価結果の表示イメージなどは予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
3. 施工段階毎の材料分離評価
(1)打込み前
試験練り時に木製容器に取り付けたセンサを用いて電圧デジタル信号を測定します。次に、現場で荷卸し場所または圧送ホース吐出口において、同じセンサを用いて電圧デジタル信号を測定します。これらの測定結果を比較することで荷卸し場所または圧送ホース吐出口での材料分離程度を評価します。
(2)打込み時
型枠や鉄筋などにセンサを取り付け、コンクリート打込み中に電圧デジタル信号を連続測定します。電圧デジタル信号の変化を常時監視し、管理値に達したときに警告を発令します。
(3)圧送時(一部開発中)
圧送管にセンサを取り付け、コンクリート圧送中に電圧デジタル信号を連続測定します。電圧デジタル信号の変化を常時監視し、管理値に達したときに警告を発令します。
4. 今後の展開
[戸田建設(株)]
今後、当社の現場において本技術の適用を重ね、測定結果の信頼性確認や評価結果の表示方法の改善などを進めます。そして、コンクリート構造物の品質不具合を未然に防ぐ品質管理手法としての確立を目指します。
[芝浦工業大学土木工学科 伊代田岳史教授 コメント]
本技術は、今まで見えなかった型枠内のコンクリートを見える化し、材料分離の状況をリアルタイムに判断できるようにしたシステムです。これにより、密実に充填したコンクリートの構造物を提供できるようになり、国民の安全安心を確保できるようになることを期待します。
▼本件に関する問い合わせ先 |
|
広報連携推進部 企画広報課 | |
TEL | : 03-5859-7070 |
FAX | : 03-5859-7071 |
大学・学校情報 |
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大学・学校名 芝浦工業大学 |
URL https://www.shibaura-it.ac.jp/ |
住所 東京都江東区豊洲3丁目7−5 |
芝浦工業大学は日本屈指の海外学生派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の理工系大学です。 東京都と埼玉県に2つのキャンパス(豊洲、大宮)、4学部1研究科を有し、約9千人の学生と約300人の専任教員が所属。 2024年には工学部が学科制から課程制に移行し、従来の教育の在り方を根本から変えていきます。 創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。 |
学長(学校長) 山田 純 |