神奈川工科大学

分身ロボットを通じて遠隔で働く人のコミュニケーションをサポートする「Meta Table β」が Laval Virtual Award 2023(XR for a Cause)を受賞

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(最終更新日:

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神奈川工科大学(KAIT)ホームエレクトロニクス開発学科 准教授 山崎洋一および株式会社オリィ研究所(代表取締役 吉藤健太朗、以下「オリィ研究所」)が開発したMeta Table βが、世界的なバーチャルリアリティの祭典「Laval Virtual 2023」にて、社会問題解決部門でLaval Virtual Award 2023(XR for a Cause)を受賞しました。

■Meta Table βとは
Meta Table βは、分身ロボットOriHimeを用いて遠隔で働く人のコミュニケーションをサポートするテーブルです。オリィ研究所では「すべての人に社会とつながり続ける選択肢を」をテーマに常設実験カフェ「分身ロボットカフェDAWN ver.β」を運営しています。このカフェでは、ALSなどの難病や重度障害で外出困難な人々が、分身ロボットを自分のアバターとして用い、インターネット経由で操作して働くことができます。今回の取り組みでは、分身ロボットで働きやすい環境づくりに着目し、分身ロボットを通してカフェで働く際にその場の雰囲気を共有しやすくなるテーブルを開発しました。AIによる感情技術を環境に活用し、分身ロボットを使う人が主役になれる場づくりを目指しています。

研究紹介サイト:https://scrapbox.io/CommunicationRoboticsLab/Meta_Table_beta
分身ロボットカフェ DAWN Ver.β:https://dawn2021.orylab.com/

※『OriHime』『分身ロボットカフェ』は株式会社オリィ研究所の登録商標です。
※ 本研究開発は2020年度から2022年度にかけて実施しました。

■Laval Virtual について
Laval Virtualはフランスのラヴァルで毎年開催されるバーチャルリアリティ(VR)、クロスリアリティ(XR)、メタバースの祭典で、国際展示会、カンファレンス、授賞式、コンペ、アート展などが催されており、今回で25回目の開催となります。

Laval Virtual 2023
日程:2023年4月12日-4月16日
会場:Espace Mayenne(エスパスマイエンヌ、フランス、ラヴァル市)

■今回の受賞について
Meta Table βは総合賞であるLaval Virtual Awardの社会問題解決部門(XR for a Cause)と、革新的な取り組みをReVolution賞で学術的側面を評価する研究部門(#Research)の二部門でファイナリストにノミネートされました。外出困難という明確な社会問題に取り組み、分身ロボットや独自の雰囲気制御技術を用いて長期的に課題解決に取り組んでいる点が評価されてのノミネートです。ラヴァルでの5日間の出展と審査を経て、Laval Virtual Award のXR for a Cause部門(社会問題解決部門)で受賞しました。

<受賞情報>
受賞作品:Meta Table β
賞名:Laval Virtual Award 2023 (XR for a Cause)
受賞団体:Kanagawa Institute of Technology and OryLab Inc.
受賞者紹介動画(ダイジェスト版):https://youtu.be/p4OcvBMYn3I
URL
https://laval-virtual.com/en/xr-for-a-cause/
https://laval-virtual.com/en/lv-awards-nominees/#:~:text=Booth%20R3-,Meta%20Table%20%CE%B2

本研究開発の一部は、内閣府/科学技術振興機構(以下、JST)ムーンショット型研究開発事業・目標1「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」における研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(プロジェクトマネージャー:南澤孝太、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・教授)の支援を受けて実施しています。

※ムーンショット型研究開発事業について
内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」は、超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進するものです。
https://www.jst.go.jp/moonshot/index.html

※Project Cybernetic beingについて
本プロジェクトは、ムーンショット型研究開発事業ムーンショット目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発(Project Cybernetic being)」です。人々が自身の能力を最大限に発揮し、多様な人々の多彩な技能や経験を共有できるサイバネティック・アバター技術を開発します。技能や経験を相互に利活用する場合の制度的・倫理的課題を考慮して、人と社会に調和した、身体的な技能や経験を流通する社会基盤の構築を目指します。
https://cybernetic-being.org/

▼本件に関する問い合わせ先
神奈川工科大学 研究推進機構
研究広報部門
住所: 〒243-0292 神奈川県厚木市下荻野1030
TEL: 046-291-3218
E-mail: liaison@kait.jp

▼分身ロボットOriHime、分身ロボットカフェDAWN ver.βに関する問い合わせ先
株式会社オリィ研究所
住所: 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-8-3
問い合わせ先:https://orylab.com/support/
※以下、神奈川工科大学ウェブサイトよりプレスキットを配布しております。
https://cp.kanagawa-it.ac.jp/press/1803.html

fig01.jpg 世界的なVRの祭典「Laval Virtual 2023」では多くの参加者がMeta Table βを通じた、分身ロボットOriHimeパイロットとのコミュニケーションを体験しました。

fig02.jpg 雰囲気認識・表出技術により遠隔での会話における雰囲気共有をサポートするMeta Table β

fig03.jpg 授賞式でスピーチをする山崎准教授と神奈川工科大学ホームエレクトロニクス開発学科4年生の学生(左から 石渡将聖さん、酒井優成さん、白井耀さん、山崎洋一准教授)