駒澤大学

駒澤大学による道元禅師直筆『正法眼蔵嗣書』草案本13葉のレプリカ作製プロジェクトが完結 ― 3月1日~7月30日まで禅文化歴史博物館で修訂本と共に展示

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駒澤大学(東京都世田谷区/学長:各務洋子)禅文化歴史博物館では開校140周年・開館20周年事業として、道元禅師真筆『正法眼蔵嗣書』草案本13葉のレプリカ作製プロジェクトを2022年度から実施。クラウドファンディングも利用して、『正法眼蔵嗣書』草案本のうち所在が判明している13葉のレプリカの作製に、2箇年度にわたって取り組んできた。このたび、プロジェクトの完結を記念して、3月1日(金)から7月30日(火)まで「『正法眼蔵嗣書』の成立~草案本と修訂本~」展を開催。完成した草案本のレプリカ13点を、同館の所蔵する修訂本と共に一挙公開する。

 禅文化歴史博物館は2007年、日本曹洞宗開祖道元禅師真筆の一つとされる『正法眼蔵嗣書』の修訂本を所蔵することとなった。以来、資料の現状保存に努めるとともに、毎年2週間ほど一般公開を行っている。

 同館の所蔵する修訂本は清書本にあたるものだが、下書きにあたる草案本は江戸時代に26葉に切断・分施されたことが、広島県三原市香積寺に残る『正法眼蔵嗣書』草案本の副本に記録されている。離散した草案本断簡のうち、現在所在が明らかなものは11箇寺13葉のみである。

 草案本と修訂本を比較することで、現在の最終的な形に至るまでの経緯がわかるようになるため、道元禅師の思想をうかがい知る上で草案本の文化的価値は非常に高い。
 そこで2022年、駒澤大学が開校140周年、禅文化歴史博物館が開館20周年を迎えることを機に、周年事業としてレプリカ作製の実施とクラウドファンディングに挑戦することが決定した。

 2022年度(第1期)に関西・西日本に所在する6寺7点の草案本及び香積寺副本のレプリカを作製。2023年度(第2期)には北陸・東日本に所在する5箇寺6点のレプリカを作製し、プロジェクトは完結した。
 このたび同館では、完結を機に「『正法眼蔵嗣書』の成立~草案本と修訂本~」展を開催。草案本のレプリカを修訂本とともに一堂に展示する。

 『正法眼蔵嗣書』修訂本に加えて草案本のレプリカが同館に所蔵されることは、新たな研究の地平を切り拓く契機となるとともに、所在不明となっている残りの草案本断簡の再発見など、さらなる成果へと繋がることも期待される。


◆複製プロジェクト完結「『正法眼蔵嗣書』の成立~草案本と修訂本~」
【会 期】 3月1日(金)~7月30日(火) 10:00~16:30(最終入館16:15)
※休館:土曜(第3土曜日を除く)・日曜・祝日・その他大学の休業日に準ずる
【会 場】 駒澤大学禅文化歴史博物館 (東京都世田谷区駒沢1-23-1)
【URL】
 https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/museum/overview/zen-no-sekai/jousetsu-replica2024.html

■草案本の所在地
【西日本】
・青龍寺切(滋賀県大津市)
・神応寺切(京都府八幡市)
・禅定寺切(京都府宇治田原町)
・興聖寺切(京都府宇治市)2点所蔵
・陽松庵切(大阪府池田市)
・香積寺切(広島県三原市)

【東日本】
・瑞雲院切(山形県新庄市)
・円通寺切(茨城県水戸市)
・大乗寺切(石川県金沢市)
・永光寺切(石川県羽咋市)
・永平寺切(福井県吉田郡永平寺町)2点所蔵
・長田切(神奈川県長田氏、個人蔵/現在所在不明)
※出典:『永平正法眼蔵蒐書大成 別巻 道元禅師真蹟関係資料集』(大修館書店、1980年)等による

(参考)
○クラウドファンディング(終了)
「800年の時を超えて迫る!『正法眼蔵嗣書』修訂本の源流」(第1期)
 https://readyfor.jp/projects/zenpaku2022
・目標額:300万円
・期 間:令和4年(2022)5月9日(月)~7月8日(金)
「800年の時を超えて迫る!『正法眼蔵嗣書』修訂本の源流」(第2期)
 https://readyfor.jp/projects/zenpaku2023
・目標額:250万円
・期 間:令和5年(2023)6月26日(月)~7月30日(日)
【プロジェクト進行の概要】
 13葉の草案本断簡を集めレプリカを作製するには、所蔵先から作製現場までの運搬に時間と経費がかかること、作製作業にかなりの人手を要することから、同プロジェクトは令和4・5年度の2箇年度にわたって計画、実施。
 1年目の令和4年度に関西・西日本に所在する6箇寺7点の草案本及び香積寺副本、2年目の令和5年度に北陸・東日本に所在する5箇寺6点の草案本レプリカ作製を進めた。

■駒澤大学開校140周年・禅文化歴史博物館開館20周年
 駒澤大学の淵源は文禄元年(1592)、江戸・水道橋の袂に所在した曹洞宗寺院・吉祥寺に設けられた、僧侶を育成するための学問所「学林」とされている。現在の駒澤大学の前身となるのは、明治15年(1882)10月15日に麻布区北日ヶ窪に開校した「曹洞宗大学林専門本校」である。禅文化歴史博物館は、平成14年(2002)に駒澤大学開校120周年事業として開館。令和4年(2022)に開館20周年を迎えた。
 https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/museum/

(関連記事)
・駒澤大学が道元禅師直筆『正法眼蔵嗣書』草案本のレプリカ作製を目的としたクラウドファンディング第2期を実施 -- 所在が判明している13葉のうち北陸・東日本の6葉が対象、いよいよ完結を目指す
(2023.06.26)
 https://www.u-presscenter.jp/article/post-50903.html

・駒澤大学禅文化歴史博物館が道元禅師直筆『正法眼蔵嗣書』草案本のレプリカ作製のためクラウドファンディングを実施 -- 分断された26葉のうち所在がわかる13葉が対象(2022.05.09)
 https://www.u-presscenter.jp/article/post-48110.html

▼本件に関する問い合わせ先

駒澤大学禅文化歴史博物館

住所

: 〒154-8525 東京都世田谷区駒沢1-23-1

TEL

: 03-3418-9610

E-mail

zenpaku@komazawa-u.ac.jp

嗣書修訂本本文冒頭.jpg 『正法眼蔵嗣書』修訂本冒頭(禅文化歴史博物館蔵)

ストーリー用 切り抜き.jpg 道元禅師執筆イメージ

嗣書草案本所在地図(プレスリリース用).jpg 草案本所在地図

嗣書全文(プレスリリース用).jpg 草案本断簡箇所

永平寺1.jpg 永平寺切(1)(福井県吉田郡永平寺町)

永平寺2.jpg 永平寺切(2)(福井県吉田郡永平寺町)

展示風景1.jpg 展示風景

展示風景2.jpg 展示風景

展示風景3.jpg 展示風景