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玉川大学学術研究所の量子情報科学研究センターがクラウドコンピューティングの安全性の脆弱性を実証

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玉川大学学術研究所の量子情報科学研究センターの二見史生(ふたみ ふみお)准教授は、安心で安全なネットワーク構築には、絶対に解読されることがない可能性を秘めた光通信量子暗号(Y-00プロトコル)の活用が重要であると訴えることを目的に、学内光LANにおいて通信情報のモニタ実験を実施し、現状のネットワークの安全性の脆弱さを露わにした。

【今回の成果】
 現状のネットワークでは、平文(暗号化されていない文)もしくは数理暗号による暗号文が通信されており、情報漏洩の危険性を完全に排除できているとは考えがたい。解読される可能性のある数理暗号とは異なり、絶対的に解読が不可能な光通信量子暗号(Y-00)を次世代ネットワークに導入する必要性を訴えるため、実運用している本学LANにおいて、電子メールやホームページ閲覧の通信情報をモニタし、ネットワークを流れる通信情報を容易にモニタできることを実験的に検証した。
 この成果を、2010年8月16日(月)、電子情報通信学会新世代ネットワーク時限研究専門委員会主催の新世代ネットワーク・ワークショップ2010において発表する。
題名:光通信量子暗号(Y-00)の高セキュアフォトニックネットワークへの展開に関する検討

【実験内容】
 図1に示すように、同大で実運用しているLANに接続されているネットワークにおいて、情報伝達を担う光信号が行き交う光ファイバから光信号を採取し、ある特性の実験用パソコンによるホームページ閲覧(HTTP: Hyper Text Transfer Protocol)および電子メールの読み込み(POP3:Post Office Protocol v.3)の通信情報を解析機器に取り込み、それに含まれる情報の解析を行った。解析の結果、パソコン操作で得られた情報と同一の情報をモニタできた(図2)。更に、電子メール読み込み時のIDおよびパスワードもモニタ可能だった。
 なお、本実験は学内光LANに接続している他の情報端末を切り離すルータを介入させ、実験チームの情報端末のみをモニタする環境で実施された。

▼本件の取材に関する問い合わせ先
 玉川学園 キャンパス インフォメーション センター
 TEL: 042‐739‐8710
 E-mail: pr@tamagawa.ac.jp
 〒194‐8610 東京都町田市玉川学園6‐1‐1