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千葉工業大学が「はやぶさ2」搭載のほぼすべての観測機器の開発に参加――11月30日には打ち上げのパブリックビューイングも

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千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)では、多くの研究員が「はやぶさ2」プロジェクトに参加。搭載されるほぼすべての科学観測機器の検討と開発に携わっている。小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げは、11月30日13時24分48秒(日本標準時)を予定。当日はスカイツリータウン(R)キャンパスにてパブリックビューイングが開催される。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が計画している日本の小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げは、11月30日13時24分48秒(日本標準時)を予定している。千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)では、多くの研究員がこの「はやぶさ2」プロジェクトにさまざまな形で参加している。

 たとえば、和田浩二上席研究員は衝突装置(※1)の開発とそのサイエンス検討を行っている。衝突装置によって人工クレーターを形成することには、より始原的で太陽系初期の情報を保持していると考えられる物質が存在する、小惑星の内部を覗く窓をつくるという意味がある。さらに、本物の小惑星標的で衝突実験が行えるという、天体衝突の科学を推進するうえでも大変貴重な機会である。和田上席研究員は衝突装置による科学成果を最大限に引き出す検討を行っている。

 ただし、「はやぶさ2」は衝突装置の破片を避けるべく小惑星の背後に避難するため、衝突の瞬間は残念ながら「はやぶさ2」から観測することができない。そこで、その瞬間を観測するために小型のカメラを分離し、衝突によって生じる放出物の様子やクレーター形成過程を撮像する計画となっている。その分離カメラ(※2)の開発に石橋高上席研究員が大きく貢献した。

 また、レーザー高度計(※3)の開発と科学応用検討を竝木則行前副所長(2014年4月から国立天文台教授)が主任科学研究者として牽引し、それを用いた小惑星周囲の塵の検出という他に類を見ないユニークなサイエンスの検討を千秋博紀上席研究員が主導している。

 その他にも、小惑星の観測に必要不可欠な光学航法カメラ(※4)の開発と観測計画検討に山田学研究員が大きな役割を果たすなど、ほぼすべての科学観測機器チームにPERCの研究員が加わり、総力を挙げてプロジェクトに取り組んでいる。

※注釈
(※1) 衝突装置(Small Carry-on Impactor:SCI)
 インパクタとも呼ばれ、2kgの銅の円盤を火薬の爆発によって瞬時に球殻状に変形させ2km/sに加速し、小惑星に衝突させるもの。この衝突によって直径最大数m程度のクレーターの形成が予想されている。
(※2) 分離カメラ(Deployable Camera 3: DCAM3)
 小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」に搭載された分離カメラDCAM1、2の後継機と位置付けられるものであるが、新たにサイエンス観測用の広視野高解像度カメラも搭載されている。
(※3) レーザー高度計(Light Detection And Ranging: LIDAR)
 レーザーを小惑星表面に照射し、その反射光が探査機に到達するまでの時間を計測することで、探査機と小惑星表面の間の距離(高度)を測る装置。
(※4) 光学航法カメラ(Optical Navigation Camera: ONC)
 取得画像から探査機の位置を把握し、航行に役立てると同時に、科学観測用に小惑星表面の詳細画像を撮像する役割も担っている。

●JAXA「はやぶさ2」紹介WEBページ
 http://www.jaxa.jp/projects/sat/hayabusa2/index_j.html

■「はやぶさ2」打ち上げパブリックビューイング
【日 時】 11月30日(日) 13:00~16:00
【場 所】
 千葉工業大学東京スカイツリータウン(R)キャンパス
 〒131-0045 東京都墨田区押上一丁目1番2号 東京スカイツリータウンソラマチ8F 12番地(最寄駅:押上駅)
 ・アクセスマップ http://www.it-chiba.ac.jp/skytree/#access
【内 容】
・H-IIAロケットの打ち上げと、ロケットからの「はやぶさ2」分離のライブ中継
・搭載される観測機器の開発に関わった研究員によるトークライブ
・3Dシアター「宇宙138億年の旅」観賞

(参考記事)千葉工業大学が11月30日に 東京スカイツリータウン(R)キャンパスで「はやぶさ2」打ち上げパブリックビューイングを開催(2014/11/08)
 http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=7258

▼「はやぶさ2」プロジェクトに関する問い合わせ先
 和田 浩二(ワダ コウジ)
 千葉工業大学 惑星探査研究センター 上席研究員
 〒275-0016 千葉県習志野市津田沼2-17-1
 TEL: 047-478-0320
 FAX: 047-478-0372

▼パブリックビューイングに関する問い合わせ先
 千葉工業大学 入試広報部 下山 亜希子・日下部 聡
 TEL: 047-478-0222
 FAX: 047-478-3344
 E-Mail: cit@it-chiba.ac.jp