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昭和女子大学女性文化研究所が「女性の就労環境と登用状況に関する調査研究」を発表

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昭和女子大学女性文化研究所では、男女共同参画週間(6月23日~6月29日)にあわせ、「女性の就労環境と登用状況に関する調査研究」を発表した。これは、日本の有力大企業における女性正社員の就業環境や登用状況についての調査研究である。女性比率の高い企業の方が就労環境が厳しく、未婚率が高いなど女性の登用を進めるにはワークライフバランスの推進だけではなく、経営の「意志」が必要なことを推測させる内容となっている。

◆女性の就労環境と登用状況に関する調査研究 (2010年6月23日)

 このほど昭和女子大女性文化研究所では、一定の基準により抽出した日本の有力大企業における女性正社員の就業環境、登用状況について調査研究を行った。
 雇用機会均等法制定から4半世紀、政府は2020年までにあらゆる分野の指導的な地位を占める女性の割合を30%とする目標を掲げており、また両立を可能とする職場の就業環境を向上させるワークライフバランスの普及に取り組んでいるが、大企業における女性の登用はまだ低調で、就業の状況も十分には把握されていない。大企業は一般に中小企業に比べ労働条件は恵まれており勤続年数も長いが、登用状況には企業により差がみられる。女性比率の高い企業は労働条件が厳しく離職率、未婚率が高く、また女性の働きやすい企業が女性を登用しているとは限らない。女性の登用を進めるにはワークライフバランスの推進だけではなく、経営の「意志」が必要なことを推測させる。

 結果のポイントは以下の通りである。

1.有力大企業の正社員の平均勤続年数は全国平均より男女とも約4年長く、離職率も全国平均の約半分の低さである。有給休暇の消化率も大企業がやや長い。・・・大企業の労働条件は良い
2.女性の既婚率は平均34.8%で日本全体の女性労働者の既婚率が約61%と推計されるのに比べかなり低く、大企業はまだ未婚女性が約3分の2を占めで全国平均と逆転している。・・・大企業では未婚率が高い
3.女性社員比率は23.8%と低いが、小売業や生命保険などは高く業種により女性比率が大きく異なる。女性比率の高い企業は勤続年数、有給休暇消化率、既婚率が低く、就業環境は厳しく、離職率も高い。
4.女性役職者比率は5.6%に過ぎず、全国平均(「労働力調査」10.2%)を下回っている。女性社員のうち役職者に登用されている比率は0. 204に過ぎない。しかし、ジャックス、フロントリテイリングなど0.7を上回っている企業もみられる。
5.女性役職者比率と勤続年数、有給休暇消化率、既婚率との相関は高いとは言えず、女性が働きやすい企業が女性を登用しているわけではない。

 今後当研究所としては、毎年継続的に調査していく予定である。

▼本件に関する問い合わせ先
 昭和女子大学 女性文化研究所
 所長: 坂東眞理子/所員: 飛田史和/研究員: 渡邉祐子
 TEL: 03-3411-5096
 E-mail: fhida@swu.ac.jp