金沢工業大学

北陸最大級の“オール電化建物”として環境技術ヒートポンプを採用した金沢工業大学『21号館』が大幅なCO2削減を達成

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教育環境向上と省CO2の両立を目指す金沢工業大学は、9月10日、北陸最大級のオール電化建物となる新館『21号館』を扇が丘キャンパスにオープン。建物のCO2排出削減量試算により、ライフサイクル全体での削減率「28%」(削減量「250トン/年」)、運用面で削減率「53%」を達成した。政府が掲げる温室効果ガス25%削減の目標に向け、今後も環境に対する取り組みを進めていく。

◆ 教育環境向上と省CO2の両立を目指す金沢工業大学
 金沢工業大学は、「自ら考え行動する技術者」の育成を目指し、学生が主体的に行動できる教育環境の整備を進め、授業や授業外で年間300日間活動できるキャンパスを構築している。そこで課題となるのが、エネルギー消費量だ。300日間の展開に加え、研究・実験設備の高度化などにより、エネルギー消費量は年々増加している。そこで同大では、現状の教育環境のレベルを維持しつつ、かつ省エネルギー・省CO2に対応した教育環境を目指し、さまざまな対応を進めてきた。その一環としてオープンした最新施設が『21号館』である。

◆北陸最大級の“オール電化建物”
 『21号館』は、レストラン(席数643席)とカフェテリア(席数72席)を全て電気でまかなう“オール電化厨房”としては北陸最大で、建物(延べ床面積8,967平方メートル)としても“オール電化建物”としては北陸最大級である。

◆『21号館』で大幅CO2な削減を達成
 北陸最大級のオール電化建物『21号館』では、さまざまな省エネルギー・省CO2を図る設備を導入することにより、「建設」から「運用」、「修繕・改修」「解体」のライフサイクル全体でのCO2排出削減量が「250トン/年」、削減率で「28%」となり、また、「運用」においては削減率「53%」を達成する見込みである。『21号館』の巨大な厨房と広い施設の“給湯”と“空調”の両面において省エネルギー・省CO2を支える中核設備が「ヒートポンプ」(※1)である。この他にも、外壁面の断熱性を高める「ダブルスキン」や、直射日光による熱負担軽減を図る「ルーバー」、そして、屋根への熱負担を軽減する「屋上緑化」などを同館では取り入れている。(※2)。

※1:
  ヒートポンプは、空気中にある熱(= heat)を汲み上げ(= pump)、加熱と冷却を行うもの。電気等を動力源に用い、この動力源は熱を移動させるために利用し、消費電力の約3-7倍の熱を汲み上げることが可能。この技術を活用することで、日本の年間CO2排出量の10%に相当する約1.3億トンの排出削減が見込まれている。

※2:
  CO2排出量の試算は、国土交通省グリーン庁舎評価システム(GBES)に基づき行っている。

【参考: 新館「21号館」について】
 地上6階、地下1階建ての福利厚生施設。学園本部棟と放送大学(石川学習センター)の跡地において、2009年6月に着工、2010年9月10日にオープン。1階にはレストラン「LA TERRA」(ラテラ)。2階にはカフェテリア「IL SOLE」(イルソーレ)や、書店「KIT BOOK CENTER」、旅行カウンターやアパート紹介をする「KIT SERVICE CENTER」がある。

▼本件に関する問い合わせ先
 金沢工業大学 広報課
 石川県石川郡野々市町扇が丘7-1
 TEL: 076-246-4784
 E-Mail: koho@kanazawa-it.ac.jp

1632 運用面のCO2削減量の内訳

1629 空調 ヒートポンプ・蓄熱システム

1630 ダブルスキン

1631 ルーバー