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世界初!クラウドコンピューティングに向け、学内ネットワークでY-00暗号通信に成功――玉川大学

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玉川大学 学術研究所 量子情報科学研究センターの二見史生(ふたみ ふみお)准教授は、世界で初めてインターネットの実信号(さまざまなサービス)をY-00プロトコル(光通信量子暗号)で暗号化した暗号通信に成功した。

 玉川大学(東京都町田市玉川学園6-1-1/学長:小原芳明)学術研究所 量子情報科学研究センターの二見史生(ふたみ ふみお)准教授は、世界で初めて、インターネットの実信号(さまざまなサービス)をY-00プロトコル(光通信量子暗号)で暗号化した暗号通信に成功した。
 
 Y-00プロトコルは、安心で安全なネットワーク構築に向け、究極的に解読不可能で安全な光ファイバ通信を実現できる可能性がある暗号である。このY-00プロトコルの実用化を目指し、Y-00通信試作器を、実稼働している玉川大学内の光ネットワークおよびインターネットに接続し、暗号通信に成功したものである。

【今回の成果】
 現状のネットワークでは、平文(暗号化されていない文)もしくは数理暗号による暗号文が通信されている。これらの通信では、個人情報や機密情報などの盗聴による情報漏洩の危険性を完全に排除できているとは考えがたい。玉川大学では、クラウドコンピューティングなど、ますます便利になるネットワーク利用形態の発展が、安全性不備が原因で妨げられることがないよう、盗聴できない安全な通信を実現できる暗号の研究開発を推進してきた。
 同大が研究開発するY-00プロトコルは、解読される可能性のある数理暗号とは異なり、理論上は安全性保証が可能な暗号である。今回、Y-00プロトコルに暗号化するためのY-00通信試作器を同大キャンパス内で実際に使用している光ネットワークおよびインターネットに接続し、通信試験を実施した。その結果、通信速度が劣化することなく暗号通信ができること、および従来の手法(※注)で盗聴ができないことを実験検証した。
 なお、本成果の詳細は2010年10月28日(木)、電子情報通信学会の光通信システム研究会において発表する。
 題名:光通信量子暗号(Y-00)試作器の本学LANのGbE通信への適用実験

※注:玉川大学プレスリリース「クラウドコンピューティングの安全性の脆弱性を実証」 2010年8月16日
 http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=2043

▼本件の取材に関する問い合わせ先
 玉川学園 キャンパス インフォメーション センター
 TEL: 042‐739‐8710
 E-mail: pr@tamagawa.ac.jp
 〒194‐8610 東京都町田市玉川学園6‐1‐1