東京家政学院大学

東京家政学院大学が11月13日、14日の大学祭でセミナー「天然染料で染める」を開催

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東京家政学院大学(学長:天野正子、所在地:東京都町田市相原町2600)は、11月13日(土)14日(日)開催の大学祭で、過去20年間に及ぶ天然染料による制作作品を集大成した展示と、染色体験を組み合わせたセミナー「『天然染料で染める』―卒業研究作品きもの展と染色体験―」を開催する。

 近年、日本に限らず繊維染色は天然素材の利用から、工業化・大量生産に向いた合成・化学染料が主体であり、和服にあっても天然染料による染色はごく一部の伝統的・文化財的分野に限られているが、エコや自然への関心が高まる中で、伝統工芸技法による染色の趣味性や希少価値に注目が集まっている。

 東京家政学院大学では、現在の町田キャンパスに移転した昭和59(1984)年以来、緑あふれるキャンパスの特性を活かして、ススキなどを利用した染色実験を授業・卒業研究に取り入れてきた。天然染料の最適条件を実験的に求め、きものを染め上げるという、他に例のない卒業研究指導を平成2年度に開始し、平成21年度の卒業生まで20年間にわたり継続している。世間で思われている淡く渋い発色ではなく、若い学生に似合う鮮やかな澄んだ発色を求めて研究してきた。
 指導作品は主に訪問着・色無地・振袖・浴衣である。こうした作品が、昨年68回を重ねて惜しまれつつ終了した日本手工芸文化協会主催、文部科学省後援の公募展「手工芸美術展」に56点入選した。

 こうした中、指導開始20周年を記念して作品を展示し、あわせて天然染料による染色の実技を経験するセミナーを開催する。

 天然染料による染色は、たとえば八丈島の黄八丈、奄美大島の泥染め、あるいは各地の藍染めなどで知られている。同大の卒業研究では、主に絹布を用いて染色する場合の合理的な条件を実験的に探索し、10種類の染色堅牢度試験結果を踏まえた上で、その成果を作品制作に結び付ける方法をとっている。伝統的染色方法を踏まえつつ、色素抽出時の条件や、染色時の条件、発色染着を促す媒染剤の種類や媒染条件、媒染方法などを分光光度計・色差計を用いて検証し、合理的で簡便な新たな染色方法も提案してきた。天然染料の持つ多色性を利用して染め上げた、学生の情熱と努力の賜物である「きもの」作品94点の中から、今回は60点を展示する。染める度に発色が微妙に異なり、時とともに穏やかに移ろいゆく色合いなど、繊細な魅力を紹介する。

◆現代生活学セミナー「天然染料で染める」―卒業研究作品きもの展と染色体験 概要
【開催日時】
 11月13日(土)、14日(日)10:00~14:00
【内容】
(1)卒研きもの作品展:
  展示数:60点(振袖、訪問着、色無地、浴衣)
  染 料:紅花、蘇芳、西洋茜、コチニール、エンジュ、矢車附子、紫根、ススキ、煎茶、インド藍など
  技 法:浸染(色無地、絞り染め)、引き染め(ぼかし、友禅染などの糸目糊防染)、紅型、摺り込み染めなど
  特 徴:天然染料(草木染め)は渋い発色、淡い色合いと思われています。
  どちらも容易にできますが、同大では若い学生向きに染め上げる、鮮やかな澄んだ発色が特徴です。
(2)染色体験:
  各種植物染料による絹布(スカーフ)の染色です。自由に選んでください。
  2時間程度で染色できるよう、下準備をしておきます。
  ※体験は随時受け付けますが、染料と絹布に限りがありますのでご承知おきください。
【会場】
 東京都町田市相原町2600
 東京家政学院大学第2食堂(作品展)、被服整理学実験室2405教室(染色体験)

▼本件についての問い合わせ先
 東京家政学院大学入試広報課 森田
 (〒194-0292 東京都町田市相原町2600)
 TEL: 042-782-9412 
 FAX: 042-782-1711
 E-Mail: morita◎kasei-gakuin.ac.jp
 (注)◎は「@」(アットマーク)を示します。