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玉川大学 量子情報科学研究所が世界最高速 Y-00暗号の40ギガ大容量通信実験に成功

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玉川大学量子情報科学研究所(東京都町田市玉川学園6-1-1 所長:広田修)の二見史生(ふたみふみお)准教授は、世界で初めてY-00(光通信量子暗号)プロトコルで暗号化した暗号通信で、40ギガビット毎秒の大容量通信に成功した。Y-00プロトコルは、究極的に解読不可能で安全な光ファイバ通信を実現できる可能性があり、安心で安全なネットワークの実現に有望な暗号である。

 今回、WDM(波長分割多重:異なる波長の信号光を一つの光ファイバ内で伝送させる)方式を適用して、1波長あたり10ギガビット毎秒、4波長で合計40ギガビット毎秒の大容量通信に成功した。今回の実験により、Y-00プロトコルはWDM方式を用いて伝送容量の拡大を図れることが検証された。波長数を増やすことにより更なる大容量化が可能で、Y-00プロトコルによる大容量暗号通信の実用化に向け大きく研究開発が前進した。

 なお、本成果の詳細は2012年3月6日(火)、ロサンゼルスで開催される国際会議OFC/NFOEC2012(論文名:40 Gb/s (4 × 10 Gb/s) Y-00 protocol for secure optical communication and its transmission over 120 km)、および2012年4月11日(水)、東京ビッグサイトで開催されるPhotonix2012アカデミックフォーラム(発表題名:Y-00光通信量子暗号 ~ギガビット級セキュア光ファイバ通信~)にて発表する。

【今回の成果】
 玉川大学では、クラウドコンピューティングをはじめとするさまざまなネットワークの利用形態のさらなる発展が、安全性不備が原因で妨げられることがないように、盗聴できない通信を実現する暗号の研究開発を推進している。
 同大が研究開発を行っているY-00プロトコルは、光変調方式で分類すると多値強度変調であり、変調周波数以上の帯域を占有しない特長がある。そのため、光ファイバ通信で大容量化を行うために広く用いられているWDM方式により、伝送容量の拡大を図れる。今回、Y-00プロトコルによる暗号通信の伝送容量増大策としてWDM方式を採用し、40ギガビット毎秒のY-00プロトコル暗号伝送(伝送距離:120km)に成功し、WDM方式の有効性を検証した。添付PDFファイルの資料に成果を詳しく示す。

▼本件の取材に関する問い合わせ先
 玉川学園 教育企画部 キャンパス インフォメーション センター
 〒194‐8610 東京都町田市玉川学園6‐1‐1
 TEL: 042-739-8710
 FAX: 042-739-8723
 E-mail: pr@tamagawa.ac.jp

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