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良質な知を提供する「大学出版会」

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教育や独自の研究成果の公開、学術の振興と普及を目的に、出版部門を設ける大学が増えている。発行する書籍の内容は大学の特色によって異なり、各専門分野から文化、芸術など多岐にわたる。書籍に関連したイベントを開催している出版会もある。
【聖学院大学、麗澤大学、玉川大学、武蔵野大学、明治大学】

 聖学院大学(埼玉県上尾市)出版会は、昨年同大にて行われた経済産業大臣・枝野幸男氏の講演「日本の針路と若者の希望」と学生との質疑をまとめた『希望の芽はある』を発行した。時代の転換点にあたって日本がとるべき針路のほか、厳しい就職戦線への対応、さらにはTPPの必要性にまで触れた内容となっている。
 同大はこれまでも数々の著名人を招いた講演会を通して「時代を考える」シリーズを刊行してきたが、今回は特に高校生に読んでもらいたいと願い、出版会が制作、発行した。
( http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=3772 )

 また昨年は総合研究所カウンセリング研究センターが編集した『被災者と支援者のための心のケア』も刊行している。
 この冊子は、臨床心理士や精神科医、牧会カウンセラー、スピリチュアルケアの専門家が、被災者と支援者の「心のケア」に役立つことを書きまとめたもの。心の復興が一日も早くなされることを目的に発行した。
( http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=3440 )

 麗澤大学(千葉県柏市)出版会は昨年、教養教育のコア科目「道徳科学」の教科書『大学生のための道徳教科書 実践編』(著・麗澤大学道徳科学教育センター)を発売した。この本の特徴は、最終章をあえて未完成にしたところ。学生が自ら考えてページを完結させることで、“世界でただ一つの教科書”ができあがる。充実したキャンパスライフを送る助けになることを期待し制作された。
( http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=2825 )

 前作となる『大学生のための道徳教科書─君はどう生きるか?─』も『実践編』と同様、その内容から表現まで学生と教員が徹底的に議論して作られた。同書では身近な事例を紹介し、考え方と行動について自ら考えるヒントが散りばめられており、各自が実生活に合わせて計画・実行・検証・改善できる内容になっている。
( http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=793 )

 玉川大学(東京都町田市)出版部は、大学の出版部として唯一児童書を発行している。8月に開催した小学生の親子対象の科学教室「科学あそびの時間 2012」では、同出版部が発行している「科学キャラクター図鑑」(11巻)と「自然スケッチ絵本館」(12巻)に関連した教材で工作などを行い、子どもたちが楽しんで科学に触れられるようにした。
■科学キャラクター図鑑
 元素や星、ニュートリノから楽器まで、科学に関係するあらゆるものをキャラクターにして紹介している。
■自然スケッチ絵本館
 シンプルな説明と細密画で構成された生態絵本。昆虫や鳥、魚など種類別に刊行されている。
( http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=4221 )

 武蔵野大学(東京都西東京市)出版会は、武蔵野に建つ三基の石碑に封印された武蔵野のおもかげを解き明かした書籍、『刻された書と石の記憶』を刊行した。
 国木田独歩『武蔵野』の虜となった著者(廣瀬裕之 武蔵野大学教育学部教授)が、玉川上水沿いに建つ三基の石碑を「書」と「刻」と「石」の三要素から碑を読み解き、謎を解き明かしていく。国木田独歩、武者小路実篤、太宰治など多くの作家や、玉川上水、井の頭公園など武蔵野ゆかりの地が登場し、武蔵野の文化発展の歴史の一端が凝縮されている。
 また最近では新キャンパスにちなんだ『臨海副都心の過去・現在・未来』も刊行した。
( http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=3757 )

 明治大学(東京都千代田区)の「出版部」は1961年に廃止されたが、昨年新たに「明治大学出版会」として50年ぶりに復活。同大の特色ある研究を基にした教養書『明治大学リバティブックス』シリーズを含め書籍3冊を刊行した。今後も文化、学術・文化の振興及び社会の発展に寄与することを目的に、質の高い書籍の出版に取り組んでいくとしている。
■明治大学リバティブックス
 『ビリー・ワイルダーの映画作法』 瀬川裕司 著(国際日本学部教授)
 『中国・台湾・香港映画のなかの日本』 林 ひふみ 著(理工学部准教授)
■その他書籍
 『陸軍登戸研究所<秘密戦>の世界―風船爆弾・生物兵器・偽札を探る―』
 山田 朗(文学部教授)、明治大学平和教育登戸研究所資料館 編 
( http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=3961 )