千葉商科大学

千葉商科大学の原科幸彦政策情報学部教授が、アセス分野の中心学会、IAIAの最高賞「Rose-Hulman Award」をアジア圏で初の受賞

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千葉商科大学(千葉県市川市:学長 島田晴雄)の政策情報学部(学部長:宮崎緑)教授で、環境アセスメント研究の第一人者として国内外で知られる原科幸彦博士が、環境アセス分野の中心学会である国際影響評価学会(International Association for Impact Assessment)から、最高賞と位置づけられる「Rose-Hulman Award」を授与されることになった。日本人では初、アジア圏でも初の受賞にアジア各国の専門家から祝福の声が相次いでいる。同大では今回の受賞をうけ、原科教授帰国後に報告会を開催する予定である。

 同賞は国際影響評価学会(以下IAIA)が授与する一連の賞の中で最高賞と位置付けられるもので、この賞の受賞者だけが年次総会において受賞記念スピーチを行う栄誉が与えられている。授賞式は5月15日、カナダのカルガリーで開催される第33回世界大会の年次総会の場で行われる。

 IAIAのRose-Hulman Awardは、特定の領域での優れた業績だけでなく、国際的な貢献が特に評価されるもので、今回の受賞は、国際協力銀行や国際協力機構(JICA)等の環境社会配慮ガイドライン策定など、同教授のこれまでの功績が高く評価されたもの。とりわけ、国際的に評価されているJICAガイドラインの策定が注目された。
 2010年に改訂されたJICAの環境社会配慮ガイドラインは、原科教授が座長として先進的な環境社会配慮システムを作成し、同ガイドラインは世界銀行などで国際的に高く評価されている。特に、外部専門家からなる審査諮問機関として助言委員会を設置したことは国際協力機関では初めてのことで、世界に対して、環境社会配慮のコンプライアンス確保のための新しい規範を示した。この仕組みは、JICAのODA事業が持続可能な社会づくりに貢献するものとの認識を世界に広めることにも役立っている。同教授は、このガイドライン遵守のために設けられた環境社会配慮異議申立制度の審査役も務めている。

 同教授は環境問題を政策の問題として捉え、国や自治体等の公的機関で環境アセスメント制度の整備に尽力。IAIAでは日本人初の会長も務め、同大では、環境計画・政策について教育研究を行っている。
 昨秋には同大で(独)日本学術振興会と英国政府の支援をうけた環境アセスメントに関する日英共同セミナーを主宰。東日本大震災を踏まえ、災害管理と環境アセスメントの統合に関する国際研究交流を行った。日本側の代表を原科教授、英国側の代表は、IAIAの主要メンバーであり戦略的環境アセスメント研究で世界的に著名なリバプール大学のThomas Fisher 教授が務めた。
 今秋も同教授主導で、環境アセスメントに関する日韓中国際ワークショップが同大で開催される予定である。(11月7日(木)~9日(土):テーマ「持続可能な社会の作法としてのアセスメント」)

 同大では、カルガリーで開催される受賞式から帰国後に報告会を予定しているが、日程等詳細については改めてプレスリリースされる。



◆国際影響評価学会(International Association for Impact Assessment)
 120以上の国・地域からの会員で構成される、国連でも特別に認定されたアセスメント分野で最も権威ある国際学会。各国の政府機関や、国際機関では世界銀行なども深くコミットしている。1980年にアメリカで設立され、本部はアメリカ。活動は広い意味でのアセスメントが対象。中心は環境アセスメントで、それらの情報交流と研究の推進、実務の支援を行っている。世界各地で年次大会が開かれ、その都度、アメリカの EPA(環境保護庁)やカナダ、イギリス、オランダ、オーストラリアの環境省など開催国の政府機関や企業、世界銀行などの国際機関が支援している。国際的な発言力も大きく、世界の環境保全のために大きな影響力を持っている。
 http://iaia.org/default.aspx

▼本件に関する問い合わせ先
 千葉商科大学 戦略広報センターオフィス
 TEL: 047-373-9968  
 FAX: 047-373-9969
 E-mail: p-info@cuc.ac.jp